トカイワインと言えば、貴腐ブドウから造られる甘口の「トカイ・アスー(Tokaji Aszú)」が有名です。
しかしそれ以外にもいくつかのスタイルのワインが造られています。
PDO(原産地呼称保護)ワインとしては、貴腐ブドウのフリーラン果汁のみから造られる極甘口の「トカイ・エッセンツィア(Tokaji Eszencia)」や、非貴腐ブドウから造られる辛口ワイン、そして、貴腐が部分的に発生している房から造られる「トカイ・サモロドニ(Tokaji Szamorodni)」があります。
トカイ・サモロドニは、貴腐ブドウの含有量によって、辛口(サラーズ; sáraz)になったり、甘口(エーデシュ; édes)になるそうです。
トカイ・サモロドニは、貴腐が部分的に発生した房を収穫して製造することが特徴ですが、このような収穫の分類は「サモロドニ」と呼ばれています。サモロドニという呼称は、ポーランド語の「そのままに」を意味する言葉に由来をすると言われていますが、貴腐ブドウだけを選別せずに房のまま収穫してしまうところはまさにその言葉通りです。
サモロドニの収穫は貴腐ブドウの割合が少ない年に特に行われることが多いそうです。数少ない貴腐ブドウを見つけるために収穫者が何度も畑を行き来することが不経済であるためです。
さて、ここまで説明をしてきた「サモロドニ」ですが、個人的には「サモドロニ」や「サドロモニ」だったか記憶があいまいになってしまいます。また、辛口や甘口の名前もなかなか覚えるのが大変です。
そこで、暗記をするための語呂合わせを考えてみました。
ちなみに、ロドニー(=ロドニー・グリーンブラット)は、パラッパラッパーのイラストでも有名なアメリカ出身のイラストレーターです。
最後に、サモロドニの製造についてです。
トカイの代表的なワインである「トカイ・アスー」は、貴腐ブドウをベースワインに漬け込んで製造することが特徴的です。
しかし、「トカイ・サモロドニ」では、貴腐ブドウの漬け込みは行われず、一般の白ワインに近い醸造プロセスを経るようです。
甘口、辛口ともに熟成を経て瓶詰がされますが、辛口の場合は特にフロール(産膜酵母)のもとで長期間熟成されることが非常に特徴的であるそうです。