ギリシャのワインと言えば土着ブドウ品種から造られているワインが有名です。
ギリシャで製造されるワインのうち、土着品種から造られるワインが多くの割合を占めています。
そのため、ギリシャワインを学ぶ上では、土着品種の名前を覚えることが重要なのですが、独特な名前が多くて暗記をするのが大変です。
そこで、ギリシャワインに使われる主要な土着品種を暗記する方法を考えてみようと思います。
まずは、主要な地域ごとに主要な土着ブドウ品種をプロットしてみます。
クシノマヴロの印象が強くて、ギリシャワインと言えば何となく赤ワインのイメージがありましたが、こうしてみると白ワイン品種の多さが目立ちます。実際に、生産されるワインの7割は白ワインであるようです。
「サバティアーノ」と「ロディティス」
まずは、「サバティアーノ(Savatiano)」と「ロディティス(Roditis)」という2つの白ブドウ品種です。(白ブドウに分類されることが多いですが、ロディティスはピンク色の果皮のブドウで、その名前もギリシャ語のロゼを意味する rodon に由来をするそうです)
これらの品種は、低価格ワインや、ギリシャの伝統ワイン「レッツィーナ(Retsina)」の製造に使われることが多いようです。実際、レッツィーナに使われる主なブドウ品種はこの2種類です。
サバティアーノはギリシャで最も多く栽培されているブドウ品種で、ロディティスはそれに次いで2番目です。
サバティアーノの主な生産地域は中央ギリシャ、ロディティスは全土で栽培されているようですが、ペロポネスでは特に品質の高いものが造られているようです。
ここで、この2つの品種を覚えるための語呂合わせを考えてみました。
「アシルティコ」
アシルティコ(Assyrtiko)は、ギリシャでは高品質なワインを造ることで有名な白ブドウです。
様々な環境で育つブドウなのでギリシャ全土で幅広く栽培されているようですが、最も有名なものはサントリーニ島で造られるPDOワインだと思います。辛口と甘口の両方が造られているようです。
酸味が高い特徴があるために、品質の高いワインは長期熟成能力を持つそうです。
ここでも暗記のための語呂合わせを考えてみました。
「クシノマヴロ」
クシノマヴロ(Xinomavro)は、高品質なワインを造ることで有名な黒ブドウ品種です。
主にギリシャ北部で栽培されている品種ですが、特にマケドニア地方のナウサ(Naoussa)で造られるワインが有名です。また、同じくマケドニア地方のアミンデオン(Amynteo)でも同様のワインが造られています。PDOワインは両者ともに、100%のクシノマヴロから造られます。
クシノマヴロワインの特徴は、高い酸味としっかりとしたタンニン、薄い色で、よくネッビオーロに例えられるそうです。
「アギオルギティコ」
アギオルギティコ(Agiorgitiko)は黒ブドウの中では最も栽培量の多いブドウ品種です。
用途の多いブドウ品種で、ライトボディのフルーティーなワインから、熟成能力のあるフルボディのワイン、ロゼ、甘口ワインまで造られるそうです。
酸味やタンニンにはクシノマヴロのような特徴はありませんが、色の濃いワインを造ります。
アギオルギティコの産地としてはペロポネソス半島のネメア(Nemea)が有名です。ここではアギオルギティコ100%のPDOワインが造られます。
この品種は非常に名前が覚えにくいですが、ギリシャ語で「聖ゲオルギオス(St. George)」を意味するそうです。しかし、この由来から覚えるのは大変そうなので、こちらも語呂合わせを考えてみました。
「モスホフィレロ」
モスホフィレロ(Moschofilero)はアロマティックなワインを造る白ブドウ品種です。「Moscho」は香りの強さに由来する英語で言うと「musk」のような意味の言葉のようで、名前からもその特徴を表しています。
高い酸味とライトボディが特徴のワインを造り、ペロポネソス半島のマンティニア(Mantinia)で造られるPODワインが有名です。
全体的に特徴が無い名前で覚えにくいですが、こんな感じで覚えようと思います。
「マラグジア」
最後に、マラグジア(Malagousia)という白ブドウです。一度は絶滅したと思われていましたが、1970年代に再発見されたという歴史をもつブドウ品種です。
ギリシャ全土で栽培され、アロマティックなワインを造るブドウ品種のようです。
少し苦しいですが、こんな感じで覚えようと思います。
全ての語呂合わせを見てみると、何となく魚にちなんだものが多いので、まさに海に囲まれたギリシャにぴったりだと思いました。