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ワイン名称に出てくるフランス語の「Côte」と「Coteaux」の違いとは?

 タイトルの通り、ワインの名称に出てくる 「Côte」 と 「Coteaux」 は非常に紛らわしい言葉です。 両者ともに丘陵地や斜面を表す言葉ですが、「Côte」は 「コート」 、「Coteaux」は 「コトー」 と表記されることが多いようです。 「Côte」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Côtes du Rhône (コート・デュ・ローヌ) ・Côtes de Provence (コート・ド・プロヴァンス) 一方で、 「Coteaux」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Coteaux Champenois (コトー・シャンプノワ) ・Coteaux Bourguignons (コトー・ブルギニヨン) この2つの言葉の違いを調べてみましたが、どうやら 「Côte」 の方が狭い、特定の丘陵地・斜面を表し、 「Coteaux」 は比較的広い地域を表し、複数の丘陵地・斜面を表すことが多いようです。 例えば、 「Côtes du Rhône 」 はローヌ川沿いにある斜面という特定の地域のブドウ畑から造られたワインを示しています。一方で、 「Coteaux Champenois」 は、シャンパーニュ地方にある広範囲の数々の丘陵地から造られたワインを指しているようです。 詳しいことはそこまでよくわかりませんが、 ・「Côte」 → 狭い、特定のエリア ・「Coteaux」 → 広い、包括的なエリア のような使われ方のようです。 ちなみに、プロヴァンス地方のロゼワインのAOCでは、広さにそんなに違いがないにも関わらず「Côte」と「Coteaux」 の名が付くAOCが入り混じっています。 「Côte」と「Coteaux」 のどちらが含まれるのかは、必ずしも広さだけでは決まらないようです。 <了>

ブルゴーニュのワインがなぜ高い評価を得ているのか?を考察

 世界で最も評価の高いワイン産地として真っ先に名前があがるのは「ブルゴーニュ」なのではないかと思います。 しかし、「なぜ、ブルゴーニュの評価が高いのか?」と聞かれると、「有名だから」、「値段が高いから」、「歴史があるから」くらいしか答えが出てきません。 これくらいの回答しかできないのは、せっかくワインの勉強をしているのにさみしい気がします。 そこで、なぜブルゴーニュのワインが高い評価を得ているのかについて、個人的に分析をしてみることにしました。 まず、最初に、できるだけ漏れなく、重複なくその理由をあげることができるように、フレームワークを使って考えてみようと思います。 <歴史・伝統> まず、「歴史・伝統」に関しては、長いワイン造りの歴史があること、ブルゴーニュのワインが世界中の手本にされていることが大きな理由なのではないかと思います。 ブルゴーニュのブドウ栽培の歴史は非常に古く、古代ローマ時代から始まり、紀元前1000年くらいには、ブドウ畑はクリマと呼ばれる個別の区画に分けられていたと言われています。また、ブルゴーニュワインについての記録は、591年のものが残っているようです。 また、長いワイン造りの歴史と相まって、ブルゴーニュのワイン、特にピノノワールとシャルドネの単一品種ワインは、世界中の生産者からお手本とされています。 <ブドウ栽培> ブドウ栽培については、高級品種であるピノノワール(赤)とシャルドネ(白)に適した栽培環境があること、供給量が少なくその分人気や価格が高いことが理由に挙げられるのではないかと思います。 ブルゴーニュは冷涼~温和な大陸性気候です。この気候の特徴は夏が短く、早熟品種であるピノノワールやシャルドネの栽培に適していると言われています。また、南北に連なる丘陵地帯であるコート・ドールを中心に、南向きや南東向きの斜面が多く、このような場所にある畑ではブドウが熟成に必要な日照量が十分に得られます。土壌は石灰石を含む土壌で、特に斜面の畑では水はけがよく、樹勢が制限され、果実味の豊富なブドウが収穫されます。 このような栽培環境に恵まれているおかげで、ワイン用ブドウ品種の中では評価の高い品種であるピノノワールやシャルドネを高い品質で栽培できるのだと思います。 また、ブルゴーニュは、北はディジョンから南はマコンまでの約130kmを南北に走る比較的...

アルゼンチン・ワインの地理的表示(GI)を考える ~ルハン・デ・クージョやサン・ラファエルはどのレベル?

 アルゼンチン・ワインの 地理的表示(GI) を整理してみようと思います。 アルゼンチン・ワインの地理的表示は基本的に、 地方行政区画 に従っています。地方行政区画とは、円滑な行政を行うために区切られた区画です。ワイン産地の多くは、地方行政区画(日本でいうと長野県など)か、もしくは、慣習的に使われている地方区分(日本でいうと信州など)で区切られています。 例えば メンドーサ を例にとってみます。 まずメンドーサを含んでいる最も大きな地理的表示は、 クージョ(Cuyo I.G.) です。 クージョは、正確には地方行政区画ではありませんが、昔から伝統的に使われてきた地理的区分だそうです。通常、「クージョ」という場合は、サン・フアン州、サン・ルイス州、メンドーサ州、ラ・リオハ州の4つの州が含まれますが、ワインのGIの場合はサン・ルイス州は含まれないようです。これは、サン・ルイス州でワイン製造が盛んでないためかもしれません。 ちなみに 「I.G.」 とは、 「Indicacion Geografica」 の省略であり、 Geographical Indication(地理的表示) と同義です。 そして、メンドーサを含む次の大きいGIは、 メンドーサ(Mendoza I.G.) です。これはもっとも大きい行政区画であるプロビンシア(=州)レベルのGIです。ちなみにアルゼンチンの州は英語では「province」と表現されます。 さらに、メンドーサ州を詳しく見てみると、メンドーサ州はいくつかの デパルタメント に分れています。デパルタメントとは州の下位に位置する地方行政地区です。デパルタメントは県とも訳される場合があるそうです。英語では「department」を表現されます。 メンドーサ州のデパルタメントの中には、 「ルハン・デ・クージョ・デパルタメント」 と 「サン・ラファエル・デパルタメント」 が含まれています。それぞれ、 Luján de Cuyo GI と、 San Rafael I.G. というGIが存在しています。 この2つの地域は、アルゼンチンに2つしかない DOC産地 として有名です。 DOC産地のワインが、一般のGIワインと異なる点は、ブドウやワインを栽培/生産できる地理的な制約だけではなく、 ブドウ栽培やブドウ品種、ワイン醸造に対しても一定の法的な制約...

はじめての失敗!WSET Diploma D4, D5 オンライン受講の感想と試験対策

D4(Sparkling wines)とD5(Fortified wines)についての取り組みについても忘れないうちにしたためておきたいと思います。 まず、スケジュール感は下の図のような感じです。 幸運にもD1とD2の進捗が順調に進んでいたので、一気に最短でD4とD5の受講&試験も進めてしまうスケジュールで取り組みました。 つまり、D4とD5の受講(オンライン)はD2(Wine Business)の試験準備と並行して取り組んで、D4とD5の試験は最短で受験してしまおうというスケジュールです。 D4とD5はそれぞれ試験範囲がそれほど広くないためか、試験日程は同日に設定されていました。ちなみにD4とD5の全体におけるWeightingはそれぞれ僅か5%ほどです: D4 Sparkling Wines - 5% D5 Fortified Wines - 5% いままで学習をしてきたD1(Wine Production)が20%、D2(Wine Business)が10%であることを考えると、ボリュームはかなり軽めの内容です。 それでも2つの範囲を一度に受験することに一抹の不安はありましたが、「えいや」と受けてしまうことに決めました。 D4とD5の受講内容 受講内容は基本的には、一番最初のD1(Wine Production)とほとんど同じでした。 (関連記事: WSET Diploma D1オンライン受講の感想① ~オンライン受講の流れ~ ) 異なる点としては、用意をしなければならないワインのタイプがより専門的なものになったことでした。当然、ふらっと近所のワインショップに立ち寄って、販売されているようなものではありません。例えば、ヴィンテージポートや、マデイラ、ヴィンテージシャンパーニュなどです。 これらの購入については、主に楽天などのオンラインショップの力を借りました。オンラインショップの存在は本当に偉大です。オンラインショップがいまほど発達していない時代には一体どうやって、マイナーなタイプのワインを集めていたのかと疑問に思ってしまいます。 (関連記事: WSET Diploma D1オンライン受講の感想⑤ ~テイスティング課題~ ) テイスティング課題の書き方にも、一部追加をされたものがありました。D1ではテイスティングノートを書くだけでよかったのですが、D4とD5...

ナパヴァレーAVA(カリフォルニア)の覚え方を正攻法で考える

 ワイン学習において、ナパヴァレーAVAの暗記は難関だと思います。 いままで語呂合わせによる覚え方などを考えてきましたが、今回は正攻法による覚え方を考えてみたいと思います。 まず、ナパヴァレーの位置ですが、ナパ郡の西部の広い範囲に位置しています。そして、ソノマ郡とソラノ郡に挟まれたやや内陸に位置しています。 東西を、ヴァカ山脈とマヤカマス山脈に挟まれているために、東のセントラルヴァレーからの暖かい空気や、太平洋からの冷たい空気から守られています。 しかし南部はサン・パブロ湾に面しているために、ここからの冷たい海風や霧の影響を受けています。また、北部の一部も山脈が少しだけ途切れているために、ソノマ郡からやってくる涼しい空気の影響もやや受けます。 さて、ここから本題のナパヴァレーのAVAに関してです。 ナパヴァレーには、この地域全体をカバーするNapa Valley AVAと、その中に16の小地域のAVAが含まれています。覚えるのが難しいAVAは、この16の小地域のAVAです。 主だったAVAは、下の図のように、山の斜面と、谷底の川の近くに、南北に並んでいます。 数あるものを覚えるための1つの方法としては、それぞれの要素をグルーピングすることだと思います。 そこで、これらのAVAを、まずは山の斜面にあるもの(緑色)と、谷間にあるもの(無色)に分けてみたいと思います。 緑色のAVAではほとんどの畑が霧の冷涼効果を受けないフォグライン(Fog line)よりも高い標高に位置しています。一方で、無色のAVAの畑は霧の影響を受けるフォグラインよりも標高の低い場所に位置しています。 そして、次にサン・パブロ湾からの冷たい風と霧の影響を受ける度合によって、谷間のAVAを3つのグループに分けようと思います。南に位置するAVAほどその影響は大きく、北に位置するAVAほどその影響は小さくなります。 下図の青い地域は湾からの影響を大きく受け涼しい地域であり、赤い地域は湾からの影響はほとんどなく暖かい地域です。そして黄色はその中間くらいです。 谷間の南部のAVA まずは、谷間のAVAのうち、もっともサン・パブロ湾に近い地域にある3つのAVAです。 ・ロス・カーネロス(Los Carneros) ・クームズヴィル(Coombsville) ・オーク・ノール・ディストリクト(Oak Kn...

アメリカのワインの原産地名称は2種類ある?素朴な疑問

アメリカのワインの原産地名称と言えば、AVA(American Viticultural Areas=米国政府認定ブドウ栽培地域)が思い浮かびます。 しかし、調べてみると原産地名称がAVA以外のワインも存在します。それは、州名や郡名などの地方行政区画が原産地名称として表示されているワインです。 なぜ、AVAと行政上の区画の2種類の原産地名称があるのでしょうか?少し紛らわしく感じます。 また、この2種類の原産地名称は、原産地名称だけではなく、収穫年のラベル表示に対しても影響を与えます。 アメリカのワインはラベルに収穫年を表記するためには、その年のブドウを一定以上含んでいる必要がありますが、AVA表記のワインと、州/郡表記のワインでその割合は異なります。AVA表記ワインでは95%以上のブドウがその年のワインである必要がありますが、州/郡表記のワインでは85%以上で収穫年の表記が可能です。 このような2種類の原産地表記のワインがある理由について調べてみましたが、これにはAVA導入の経緯が関係しているようです。 AVAは、地質学的・地理学的にユニークな特徴を持つブドウ栽培地域としてアメリカ全土に適用されましたが、それ以前の原産地呼称は、州や郡の行政区画の境界線に基づいて指定されていたそうです。 そしてAVA導入の際、それらの原産地呼称はAVAに組み込まれることなく、そのまま残されました。 これが、2種類の原産地表記が残された経緯なのではないかと思います。 最後に、アメリカのワインの勉強をしていると次のような表をよく見かけます。産地の項目には、州、郡、AVAに加えて「畑」が並んでいますがこれは少し誤解を与えるような表だと思います。 調べた範囲ではアメリカのワインの原産地として認められているのは、「州・郡」、もしくは、「AVA」のいずれかです。「畑」については、、あくまでも条件を満たせば選択的に表記ができる項目であり、「州・郡・AVA」にとって代われるような原産地にはなりません。 しかしこの表を見ると、ブルゴーニュのように、あたかも畑が原産地として認められているかのような誤解を受けてしまいます。 以上、アメリカの原産地にまつわる疑問と、その考察をまとめてみました。 <了>

ワインのマッチを擦ったような香りはどこから来るのか?を考察

 ワインの中には、「マッチを擦ったような香り」を持つものがあると言われています。 このような香りはワインの香りに複雑性を与えるものとして、ポジティブにとらえられることが多いようです。 しかし、この香りが強くなりすぎると、次第に「腐った卵」のような不快な香りに感じられ、これは欠陥ワインの香りとして認知されています。 このような、「マッチを擦ったような香り」や、「腐った卵」の香りが一体どこから生まれてくるのかを考察してみたいと思います。 二酸化硫黄(SO2)? まず最初に、これらの香りの特徴は「硫黄化合物」に共通するものです。 ワインに使われる硫黄化合物でもっともポピュラーなものと言えば、二酸化硫黄(SO2)です。二酸化硫黄は常温では期待として存在し、別名、亜硫酸ガスとも呼ばれています。そして、二酸化硫黄は、ワインの酸化防止剤や防腐剤(抗菌剤)として用いられ、ブドウの収穫から醸造工程のさまざまな工程で用いられます。また、瓶詰めの際には一定量が添加されます。 二酸化硫黄はワインの変性を防ぐというメリットがある反面、人体に有害なことがあるために、ワイン中の上限濃度が大きく法律で厳しく規制されています。しかし、ワイン中の残留濃度は有害なレベルを大きく下回るもので、一般的には非常に安全なレベルと言われています。 さて、ではこの二酸化硫黄(亜硫酸)が「マッチを擦ったような香り」の原因でしょうか? どうやら、この二酸化硫黄は直接的な原因ではないようです。 二酸化硫黄は一部の自然派ワインを除いてほとんどのワインに使われている物質です。しかし、全てのワインが「マッチを擦ったような香り」を持っているわけではありません。 また、先述の通り二酸化硫黄の添加量はごくわずかであり、ワインの香りを変えてしまうような量が添加されているとも思えません。 「マッチを擦ったような香り」には別の理由があるようです。 還元臭 「マッチを擦ったような香り」や「腐った卵」の香りは、どうやら「還元臭」と呼ばれるものであるようです。 還元臭の原因は、揮発性硫黄化合物(VSC)に由来すると言われています。VSCはさまざまな硫黄化合物の相称です。 VSCは、アルコール発酵、澱熟成、瓶内熟成などのワインの醸造・熟成工程に発生します。 アルコール発酵工程においてVSCが発生する原因としては、酵母が発酵中に窒素不足のス...

カリフォルニアのワイン産地の冷涼効果を図にしてまとめてみた

  カリフォルニアはワイン産地としては緯度の高い地域です(北緯32~42度)。 そのため、冷涼効果がなければ高品質なワイン用のブドウの栽培はできません。 カリフォルニアの主な冷涼効果は、「海からの冷たい風」、「霧」、「標高」の3つです。 これらの冷涼効果が働くメカニズムを上のような図にしてまとめてみました。 ① 海からの冷たい風 カリフォルニアはワイン産地にしては緯度が低く、比較的日照の強い地域です。 陸地の空気はこの日照により暖められて上昇気流となり、代わりに海からの冷たい風が内陸まで入り込みます。この冷たい海風は海岸山脈の切れ目を縫って入り込むために、全ての場所がこの冷たい風の恩恵を受けられるわけではありません。 カリフォルニア付近の海風が冷たい理由は、カリフォルニア海流と呼ばれる寒流が関係しています。 この午後から夜間にかけて吹き込む冷たい風は、夜間の温度を下げるために、日中と夜間の温度の気温差(日較差)を生み出します。この気温差のおかげでブドウは高品質なワインに必要な酸を保持することができるとともに、糖分の成熟が緩やかになるために、香りやタンニンが十分に成熟します。 (関連記事: なぜ温暖な地域でのブドウ栽培には冷涼効果が好まれるのか?を考察 ) これ以外にも冷たい風が吹き込む影響は、カビのリスクの軽減や、霜のリスクの軽減にもつながります。 ② 霧の発生 海岸山脈を越えて内陸まで運ばれた湿気を含んだ空気は午後から夜間、明朝にかけて霧を発生させます。 これは午後から夜間にかけて気温が下がり、空気中の飽和水蒸気量が下がることが原因だと思われます。 霧はカリフォルニアの強い日照を遮ることで冷涼効果をもたらします。例えば明朝まで残った朝霧は、午前中の急な温度上昇を和らげます。 また、霧による日照の遮蔽はブドウの光合成にも影響を与え、ブドウの成熟のスピードを緩やかにすると考えられます。 このような霧の発生による冷涼効果ですが、この恩恵を受けられる地域は、海からの湿気を含んだ空気が入り込む、比較的標高の高くない地域に限られます。 ③ 標高 霧の届かないような標高の高い地域ですが、ここでは標高の高さによる冷涼効果が期待できます。 しかし、このような標高の高い地域は日照を遮るものが何もないために、ブドウは強い日照を受けることとなります。このような地域では、黒ブドウの...

なぜ、パリ「ス」の審判と呼ばれているのか? ~カリフォルニアワイン躍進のきっかけを考察~

 パリスの審判(Judgment of Paris)は、1976年にイギリス人ワイン商のスティーヴン・スパリュア(Steven Spurrier)がパリで行った試飲会の通名です。 この試飲会では、フランスとカリフォルニアから集められた最高品質の赤白ワインが集められ、ブラインドテイスティングによって、それぞれのワインの評価が行われました。 当時、最高品質のワインはフランスでしか造ることができないと思われていましたが、赤ワイン、白ワインそれぞれの部門で最も良い評価を集めたのは、なんとカリフォルニアのワインでした。 ----------------------------- 最高評価の赤ワイン:1973 Stag’s Leap Wine Cellars Cabernet Sauvignon(スタッグス・リープ・ワイン・セラーズ・カベルネソーヴィニヨン) 最高評価の白ワイン:1973 Chateau Montelena Chardonnay(シャトー・モンテレーナ・シャルドネ) ----------------------------- この結果は、この試飲会を取材した記者により「Judgement of Paris(パリスの審判)」と題してタイム誌に掲載され、世界に衝撃を与えました。 これがワイン界で有名な「パリスの審判」の概要なのですが、ここで1つ疑問があります。 それは、なぜ「パリの審判」ではなく、「パリスの審判」なのかということです。パリで行われた試飲会なのですが、なぜ「パリス」と呼ばれているのでしょうか? それは、「Judgement of Paris(パリスの審判)」と呼ばれる通称が、ギリシャ神話に由来しているからです。 ギリシャ神話の「Judgement of Paris(パリスの審判)」とは、ギリシャ神話の英雄であるパリスが天界の三美神のうちで誰が最も美しいかを判定させられた出来事です。この神話は画家の好む主題の1つとなり、様々な画家が『パリスの審判』というタイトルの絵を描いたと言われています。 そして、タイム誌の記者は英雄の名前「パリス(Paris)」を試飲会の場所「パリ(Paris)」にもじって記事のタイトルとしたわけです。 ギリシャ神話や絵画に詳しい人なら、「Judgement of Paris(パリスの審判)」ときいただけですぐに分かるのかも...

NZとロワールのソーヴィニヨン・ブランの違いはどこから生まれるのか?を考察

ソーヴィニヨン・ブランの有名な地域をあげるとしたら真っ先に名前があがるのが、ロワールとニュージーランドだと思います。 しかし、そのスタイルは非常に対照的です。 ロワールのソーヴィニヨン・ブランの香りは控えめな香りのものが多い一方で、ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランは非常に香りが強いのが特徴です。 なぜこのような違いが生まれるのかを、両者の栽培環境とワインの醸造方法を比較することで調べてみようと思います。 まず最初に、ロワールの中でも代表的な産地であるサンセールと、ニュージーランドで代表的な産地であるマールボロについて、各要素の違いをまとめてみました。 ここで意外だったのが、両者ともに気候区分が「冷涼」エリアに位置することです。 何となく、 フランス → 涼しい → ライトボディのワイン ニューワールド → 暖かい → フルボディのワイン という固定観念があったのですが、両者ともに同じ気候区分に属していることを考えると、必ずしも温度差が単純にワインスタイルの違いを生み出しているわけではなさそうです。 そして、より大きな影響を与えている要素は、ニュージーランドの日照の強さにありそうです。 ソーヴィニヨン・ブランは、日照量によって香りの特徴が変わると言われる品種です。日当たりの良い環境で栽培されたブドウは成熟度が増しトロピカルフルーツのような香りを持つ一方で、日陰の多い環境で栽培されたブドウは草のような青い香りがより強く表れると言われます。 ニュージーランドは、南半球に位置することでオゾンホールの影響や、大気汚染の少なさによって、北半球に比べて4割程度高い紫外線にさらされているそうです。 また、特にマールボロに関して言うと、まわりを囲む山々が雨雲から畑を守っているために、年間の日照量もかなり長くなっているようです。 このように、ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランのワインが香り高い特徴を持つ大きな理由の1つとしては、この地域の強い日照量にあるのではないかと考察されます。 これに加えて、ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランの香りの強さに影響を与えていると思われる要因がさらに2つあります。 その1つは機械収穫です。 ニュージーランドでは機械による収穫が一般的です。機械収穫の場合は、ブドウは粒として収穫されて大きな容器で運ばれるため、輸送の際にブドウの実の破砕が...

マールボロにあるワイン産地(ワイラウ・ヴァレー、アワテレ・ヴァレー)の覚え方を考える

 ニュージーランドでもっとも有名なワイン産地と言えば、マールボロ(Marlborough)だと思います。 そして、ここにはさらにいくつかのブドウ栽培地域が含まれています。 それは、「 ワイラウ・ヴァレー(Wairau Valley) 」、「 アワテレ・ヴァレー(Awatere Valley) 」、「 サザン・ヴァレーズ(Southern Valleys) 」です。 ワイラウ・ヴァレー は、沿岸からワイラウ川に沿って内陸まで広がる栽培地域です。 栽培面積が最大の地域で、沿岸部の平野から、海の影響の少ない内陸部まで様々な環境に囲まれています。 ソーヴィニヨン・ブランが多く栽培されていますが、栽培環境によって、パッションフルーツの香りを持つブドウから、草のような青い香りを持つものまで、さまざまな成熟度のブドウが得られます。 沿岸部は特に土壌が肥沃で水はけもく暖かさを得られるために、よりアロマの強いブドウが得られるようです。 アワテレ・ヴァレー は、マールボロの最東部に位置します。 この地域は海に近く標高も高い地域であるために、ワイラウ・ヴァレーよりも涼しく風の強い地域です。 涼しい環境であるために、酸味の高いソーヴィニヨン・ブランが得られます。 ピノノワールの栽培もおこなわれていますが、涼しく風の強い環境のために、果皮が厚く実が小さくなるために、色が濃い目のワインが造られると言われています。 サザン・ヴァレーズ は、ワイラウ・ヴァレーとアワテレ・ヴァレーの間に位置する地域です。サザン・ヴァレーズはいくつかの谷をまとめた相称となっており、そのために名称は単数形の「ヴァレー」ではなく複数形の「ヴァレーズ」になっています。 ワイラウ・ヴァレーやアワテレ・ヴァレーと比べて、新しいブドウ畑が多い地域のようです。 この地域の土壌は、水はけの悪い粘土の含有率が多いため、より水はけの多い地域に比べて冷涼効果が得られます。そのため、暑さに弱いピノノワールの産地として知られています。 土壌による冷涼効果はありますが、アワテレ・ヴァレーほど涼しい産地ではないようです。 さて、これら3つのブドウ栽培地域ですが、個人的にはなかなか覚えるのに苦労をしています。特にニュージーランドの産地は聞き馴染みが無いうえに、似たような名前が多いので、何かと混同しがちです。 そこでここでも語呂合わせに頼って...

トカイ・アスーの製造工程と、製造工程がワインスタイルに与える影響を考察

 トカイ・アスーはハンガリーで造られる貴腐ワインです。世界三大貴腐ワインの1つに数えられています。 トカイ・アスーの製造工程は、アスー(Aszú)ブドウと呼ばれる貴腐ブドウを発酵前/発酵中/発酵後のマスト(発酵後はベースワイン)に浸してつくるという非常に特徴的なものです。 多くの甘口ワインは通常の白ワインと同じような流れで作られますが、トカイ・アスーは少し独特な製法なので、その流れをまとめてみました。 やはり特徴的なのは、アスーブドウ(貴腐ブドウ)を収穫後にそのまま圧搾するのではなく、マスト/ベースワインに浸る(マセレーションする)という部分です。 アスーブドウの糖分の凝縮度が非常に高く、通常の圧搾では果汁が抽出できないために、このような製造工程になったのだとか。マセレーションに使われるアスーブドウはそのままの場合もあれば、つぶしてペースト状にしたものの場合もあるようです。 そして圧搾は、マスト/ベースワインに貴腐ブドウが浸されて、糖分や風味が抽出されたのちに行われます。 圧搾されたマスト/ベースワインは、アルコール発酵を経て、オーク樽で熟成されます。 このような製造工程を経るために、トカイ・アスーには次のような特徴が与えられると考えられます: ・貴腐ブドウの香り(オレンジの果皮、マーマレード、ハチミツなど) ・長期熟成による外観の変化(琥珀色) ・長期熟成による熟成香の発生(ハチミツ、ドライフルーツなど) ・[酸化熟成を経た場合] ナッツやキャラメルの香りの発生 実際に多くのトカイ・アスーは次のような特徴を持つと言われています: ・深い琥珀色の外観 ・オレンジの果皮、アプリコット、ハチミツの強い香り ・高い酸味 ・低~中程度のアルコール度 <了>

なぜ貴腐ワインが造られるのか?トカイの自然環境を考察する

 今回は世界三大貴腐ワインの産地として知られるトカイの自然環境について調べてみたいと思います。 まず、トカイがどこにあるかというと、ハンガリーの北東部に位置しています。 スロバキアとの国境の近くです。 この地図を見ると、ハンガリーがいかに内陸にあり、様々な国に挟まれているかが分かります。 トカイはちょうど、ボドログ川(Bodrog river)とティサ川(Tiza river)という2つの川が合流する場所に位置しています。 そして、トカイのブドウ畑はゼンプレーン山脈(Zemplen mountains)とボドログ側を挟むように、北部のスロバキアとの国境に向かって広がっています。 ボドログ川とティサ川には若干の水温の差があり、これが秋の早朝に貴腐の発生に必要な湿気を作り出すのだとか。 そして、その湿気はブドウ畑に広がり、広くブドウに貴腐菌を繁殖させます。 しかし、貴腐ブドウを造るにはもう1つ重要な自然環境が必要です。それは、午後には日差しが良く当たりブドウの水分を十分に蒸発させる環境があることです。 トカイは北西部に広がるゼンプレーン山脈のおかげで比較的降水量が少なく、暖かい地域です。また、多くのブドウ畑は南向きの斜面に位置しており、昼間はたくさんの日照を得ることができます。 このような環境が揃っていることで、貴腐菌によって果皮に穴の開けられたブドウから水分が蒸発し、糖分の凝縮した貴腐ブドウができあがると考えられます。 <続く>

なぜアイスワインの製造が可能?カナダのワイン産地の自然環境を考察

 カナダと言えば、アイスワインが有名です。 アイスワインの主な産地はオンタリオ州で、ここで生産されるアイスワインの割合は、カナダ全体の9割を占めると言われています。 オンタリオ州の主なワイン地域は州南部の五大湖の周辺に集まっており、北緯はだいたい41~44°くらいです。この緯度をヨーロッパに当てはめると中央イタリアからボルドーくらいです。また日本で言うと札幌市が43°くらいです。 緯度としてはそこまで寒いイメージは無いのですが、なぜアイスワインの製造ができるのでしょうか? そこで、なぜカナダでアイスワインが製造できるのかを考察してみようと思います。 なぜアイスワインが造れるほど寒いのか? まずは、オンタリオ州のワイン産地の位置から調べてみます。 カナダのワイン産地はオンタリオとブリティッシュ・コロンビアの東西に大きく分かれています。 ブリティッシュ・コロンビアの方が北に位置していますが、実は冬の寒さが厳しいのはオンタリオの方です。これは意外な感じがしますが、どうやらカナダ西岸と東岸を流れる海流の違いが東西の気候の違いを生み出しているようです。 オンタリオのある東岸にはラブラドル海流と呼ばれる寒流が流れていますが、ブリティッシュ・コロンビアのある西岸にはアラスカ海流と呼ばれる暖流が流れています。 オンタリオに寒さをもたらしている影響の1つとしては、まず、この寒流の影響が考えられます。 しかし、オンタリオの冬を厳しくしている原因はこれだけではないと思います。それは、オンタリオのワイン産地がかなりの大陸性気候であるということです。 先程の地図では分かりにくいですが、実はオンタリオのワイン産地は沿岸から500 km以上離れています。 大陸性気候の特徴は、暑く短い夏と、寒い冬です。実際に、ワイン産地にごく近いトロントの1月の平均最高気温は-1℃と、とても寒い気候です。 寒流と、大陸性気候の影響によって、オンタリオの冬はアイスワインを造ることができるくらい気温が下がるのだと考えられます。 なぜ寒い地域にも関わらずブドウ栽培ができるのか? オンタリオのワイン産地は冬場は非常に気温が低いことが分かりました。 では反対に、なぜこのような寒さが厳しい地域にも関わらず、ブドウ栽培ができるのかについて考えてみたいと思います。 それには次の4つの理由があるのではないかと考察します。 ...

似て非なるワイン ~イタリアとギリシャの「ヴィンサント」の違いを考察~

イタリアとギリシャでは 「ヴィンサント」 という名前のワインが造られています。 どちらも干したブドウから造られる甘口ワインという似た特徴を持っていますが、実は異なるワインです。 そこで、イタリアとギリシャの「ヴィンサント」の違いを考察してみたいと思います。 生産地域 まずは生産地域の違いです。 イタリアのヴィンサントは主にトスカーナ州で製造されています。しかし、一部トレンティーノ・アルト・アディジェ州でも製造されているようです。 一方で、ギリシャのヴィンサントはサントリーニ島で製造されています。 名称の違い イタリアのヴィンサントは 「Vin Santo」 と2語で表記されます。 一方で、ギリシャのヴィンサントは 「Vinsanto」 と1語で表記されます。 製造方法の違い 製造工程を見てみると、2つのヴィンサントには大きな違いがみられます。 イタリアのヴィンサントには陰干しされたブドウが使われます。この陰干しの方法は、アパッシメント・メソッドと呼ばれます。 (関連記事: アパッシメント(appassimento)とパッシート(passito)の違いに関する考察 ) 一方で、ギリシャのヴィンサントでは、天日干しをした遅摘みのブドウが使われます。 両者ともにオーク樽での酸化熟成が行われますが、イタリアでは小さめの樽で、ギリシャでは、大きめの樽で長期熟成が行われます。 ブドウ品種の違い イタリア、特に主な産地であるトスカーナでは、ヴィンサントの主要品種としてトレッビアーノ・トスカーノ(Trebbiano Toscano)とマルヴァジア(Malvasia)が用いられています。 トレンティーノ・アルト・アディジェ(トレンティーノDOC)では、ノジオーラ(Nosiola)という品種が主要品種として用いられています。 一方で、ギリシャ(サントリーニ)のヴィンサントの主要品種は、アシルティコ(Assyrtiko)です。 トレッビアーノ・トスカーノとアシルティコに共通している点は、強い甘味とバランスをとるための高い酸味を持っているという点です。多くのブドウは成熟とともに徐々に酸味を失いますが、両品種ともに成熟しても強い酸味が保持されます。 ヴィンサントは基本的には白ブドウ品種から造られていますが、トスカーナでは黒ブドウ品種サンジョヴェーゼからも製造されており、このワインはオッキオ・...

南ローヌブレンドに使われるブドウ品種の特徴の違いを考察(サンソー、カリニャン、ムールヴェードル)

 これは私だけかもしれませんが、南ローヌのブレンドワイン(赤)の補助品種として使われる、サンソー(Cinsaut)、カリニャン(Carignan)、ムールヴェードル(Mourvedre)の3つの品種をよく混同してしまいます。 シラー、グルナッシュなどの品種はそれぞれ北ローヌと南ローヌを代表している印象があってその特徴を混同することはないのですが、ブレンド用の補助品種となると途端に印象がおぼろげです。 そこでこの3つの特徴の違いを調べてみたいと思います。 栽培地域 まず、栽培地域ですが、どれも南ローヌを中心に地中海に面した地域で栽培されています。どれも乾燥した暖かい地域に向いたブドウ品種で、おおむね下の赤線で囲んだフランスからスペインにまたがる部分です。 しかし、もう少し細かく言うと、栽培地域には次のようにそれぞれ若干の違いがあるようです。 ・サンソー = 主にフランス南部 ・カリニャン = フランス南部~スペイン北部(カタルーニャ州やラリオハ州) ・ムールヴェ―ドル = フランス南部~スペインの地中海沿岸(バレンシア州やムルシア州) スペインでも多く栽培されるカリニャンとムールヴェ―ルドは、スペインでは異なる名前(シノニム)で呼ばれており、それぞれ、カリニェナ(Cariñena)、モナストレル( Monastrell )と呼ばれています。 栽培における特徴 サンソー、カリニャン、ムールヴェ―ドル、いずれも晩熟品種です。そのため、フランス南部のような暖かく、長い生育期間を確保できるような地域でなければ栽培が難しい品種です。 しかし収穫量には違いがあり、サンソーとカリニャンは高い収穫量が期待できる品種であり、ムールヴェードルは収穫が低い品種のようです。 そのため、サンソーとカリニャンから高品質のワインを造るためには、果実味を凝縮させるために収量を制限する必要があるといわれています。 味わいの違い サンソー は、赤系果実が中心の中程度の香りの強さのワインを造ります。また、タンニンは低めで、できあがるワインの色も薄めです。晩熟品種であるためかアルコール度は高めとなりますが、全体的には特徴の薄めの印象です。 このような品種特徴と収量の高さも影響してか、多くのワインは早飲みの低価格帯の赤ワインやロゼワインとして造られます。サンソーとグルナッシュ・ノワールから造られるプロ...

リコレーリャ土壌からブドウ栽培におけるスレート土壌のメリットを考察

スペインのワイン産地のいくつかではスレート土壌が好まれて利用されています。 例えば、プリオラートやビエルソなどが該当します。 (関連記事: プリオラートのブドウ栽培環境と、素晴らしい赤ワインができるわけ ) そこで、なぜスレート土壌がワイン用のブドウ栽培に好ましいのかを、プリオラートのスレート土壌であるリコレーリャ(リコレリャ、リコレッリャ)土壌の特徴から考察してみました。 リコレーリャ土壌とは、雲母の小粒を含む赤黒いスレート(粘板岩)土壌です。現地語では「LLICORELLA」と書かれます。 リコレーリャの特徴を下図のようにまとめてみました。 このリコレーリャの土壌のプリオラートでは、ブドウの収量が制限されるため、凝縮度の高い品質の高いブドウができると言われています。 収量が制限される理由は大きく2つあると思います。 1つは、土地がやせていて栄養分が少ないことです。これは、スレート土壌がもっている特徴の1つのようです。 そしてもう1つは、プリオラートの降水量の少なさです。夏場に雨が少ないことで、ブドウが摂取する水が制限されるので、収量が制限されるというわけです。 しかしその反面、安定的に一定の水が摂取できないと、かえってブドウには干ばつのリスクが高まります。 そこで役に立つのがスレート土壌の垂直に割れやすいという性質です。この性質によってブドウは地中深くの水を確保できるので、常に最低限の水が確保できるのだと思います。 これがスペインのいくつかの産地において、スレート土壌が好まれる理由なのではないかと考察します。 <了>

カスティーリャ・イ・レオン州のワイン産地をまとめてみる

スペインには素晴らしいワイン産地がたくさんあるのですが、産地の数が多すぎて、個人的には1つ1つの特徴を捉えることが難しいと感じています。 リオハとプリオラートはとても有名なので、比較的しっかりと特徴を捉えているつもりですが、カスティーリャ・イ・レオン州となると、州全体の特徴は何とかわかるのですが、個別の産地の特徴については少しおぼろげです。 そこで今回は、スペインの「カスティーリャ・イ・レオン(Castilla y León)州」のワイン産地の特徴をまとめてみたいと思います。 まず、スペインのワイン産地全般についてですが、基本的に、ワイン産地は州ごとにまとめられていることが多いです。ただし、リオハDOCaのように、ラ・リオハ州を中心としてバスク州とナバーラ州にもまたがっているという例外も存在します。 スペインには17の自治州があり、カスティーリャ・イ・レオン州は北部の内陸に位置しています。 カスティーリャ・イ・レオン州の基本的なブドウの栽培環境の特徴は、 ・メセタにあるので標高が高い ・内陸にあるために大陸性気候(暑く短い夏と、寒い冬)である ・大西洋の影響はあまり受けず乾燥している などです。 ちなみにメセタ(メセタ・セントラル)とは、イベリア半島中央部にある乾燥した高原のことです。下図のように広範囲に広がっています。 カスティーリャ・イ・レオン州の主なワイン産地をあげると次のような産地があがります: ・ビエルソDO ・リベラ・デル・ドゥエロDO ・トロDO ・ルエダDO 気候は基本的には温暖な大陸性気候です。しかし、やや海の影響を受けるビエルソDOと、完全な大陸性気候のその他3つの地域ではやや気候や栽培環境が異なります。 それぞれの栽培環境を簡単にまとめてみました。下図からも分かるように、「リベラ・デル・ドゥエロDO」、「トロDO」、「ルエダDO」はかなり乾燥した地域です。 栽培環境が異なれば、そこで造られるワインの特徴も異なります。各産地の主要なワインの特徴をまとめてみました。 ビエルソDO の主要なワインは、メンシア(Mencia)というブドウから造られるミディアム~ミディアム(+)ボディの赤ワインです。 メンシアという品種は、主にガリシア州で栽培されている品種ですが、ビエルソはガリシア州との境に位置している影響もあり、この品種が用いられているようです。 も...