ボルドー産のワインを購入してみると、よく見かけるのは「ボルドーAOC(Bordeaux AOC)」のワインです。
(関連記事:個人的なAOCの簡単ざっくり理解 ~AOCってこういうこと?)
そしてボルドーAOCと同様に、「Bordeaux Supérieur」と書かれたワインもよく目にします。これは、原産地呼称が「ボルドー・シュペリウール(Bordeaux Supérieur)AOC」のワインです。(※Supérieurは、シューペリュールとも表記されます)
例えば、成城石井で長年人気の赤ワインである「CH ラ ヴェリエール ルージュ」は「Bordeaux Supérieur AOC」のワインです。 → https://amzn.to/40Uz4aU (こちらのAmazonサイトで購入可能です)
ふと思い立って、ボルドーAOCとボルドー・シュペリウールAOCの2つのワインにどんな違いがあるのかを調べて考察してみました。
ボルドーAOCとボルドー・シュペリウールの共通点
まずは、この2つのワインの共通点から調べてみました。主な共通点は次の通りです:
・ボルドーの全ワイン生産地域で製造可能なワインである(ジェネリックAOCワイン)
・品質レベルはそこそこで、ボルドーの特定地域の名称がラベルに書かれたワインほど品質が高くない
・価格は低価格~中価格程度である
・両者ともに赤と白のスティルワインがあり、赤はメルロ、白はソーヴィニヨン・ブラン主体のワインである
・ワインのスタイルは主にミディアムボディ程度である
ボルドーAOCとボルドー・シュペリウールAOCのワインは、ボルドーで最も生産量の多いワインであり、ボルドーで生産されるワインの約半分を占めるそうです。
ボルドーAOCとボルドー・シュペリウールの相違点
では、今度はこれらのワインの違いをまとめてみようと思います。それぞれの違いは次の通りです:
・ボルドー・シュペリウールAOCの赤ワインは、その名の通りボルドーAOCよりも若干品質が高い(supérieurとは、上位の、上質のという意味です)
・ボルドー・シュペリウールAOCの白ワインは、基本的に甘口で、ボルドーAOCとはスタイルが異なる(ただし、赤ワインに比べると製造量はずっと少ない)
・ボルドー・シュペリウールAOCのロゼワインはない
・ボルドー・シュペリウールAOCの製造量は、ボルドーAOCの製造量の数分の1である
・ボルドー・シュペリウールAOCの方がブドウ栽培や製造方法に関する規定が厳しい(栽培密度、単位収穫量、ブドウ中の糖分の最低含有量など) → 果実の凝縮度や潜在アルコール度が高くなる
BORDEAUX SUPÉRIEUR(ボルドー・シュペリウール) のワインとは?
ボルドーAOCとの共通点、相違点から考えてみると、ボルドー・シュペリウールAOCのワインの特徴は次のようになると思います:
・AOC階層の中では最下層に位置し、ボルドー広域で製造される比較的手ごろなワインである
・赤ワインについては、ボルドーAOCのワインよりも若干の力強さと果実の凝縮度があり、やや品質が高い
・白ワインについては、甘口のスタイルとなる
<了>