WSETのテイスティングの特徴は、定量的に評価をする項目が多いことです。
例えば、各評価項目で次のような選択肢が与えられています。
・外観の色の濃さ:「pale - medium - deep」
・香りの強さ:「light - medium(-) - medium - medium(+) - pronounced」
・酸味:「low - medium(-) - medium - medium(+) - high」
これを見ると、一見、色の濃さは3段階、香りの強さは5段階、酸味は5段階で評価をすると考えてしまいがちです。
実際私もそうでした。
しかし、WSETの評価は実際はほとんどの項目で基本的に3段階らしいのです。
なので、上の例で言うと、酸味の評価は基本的には3段階です。
しかし、mediumが選ばれた場合は、さらにそれを「medium(-) - medium - medium(+)」の3段階で評価しましょうということなのだそうです。(レベル3以上から)
なので、下のような5段階評価のようなイメージは無いようなのです。
評価項目としては結局は5つの選択肢から回答を選ぶので、「同じこと」と考えられがちですが、実際にテイスティングをやってみると、結構違います。
例えば、私は以前に2つのワインをテイスティングする機会がありました。
1つ目のワインがとても酸味の高いワインであり、「酸味 = high」としました。
2つ目のワインも酸味が高いワインだったのですが、1つ目ほど酸味が高いワインではありませんでした。
私は、「1つ目ほど酸味が高くないので、medium(+)くらいかな?」と評価をしてしまいました。
講師の回答を聞くと、正しい回答は両方のワインともに「酸味 = high」でした。
私がこのような失敗をしてしまった原因は、酸味の評価をはじめから5段階で考えていたことが大きな理由と考えられます。
本来は、はじめは「low - medium - high」の3段階評価をすべきでした。そうすれば、きっと初めから、両者のワインともに「酸味 = high」の評価ができたと思います。
これ以降、「3段階評価!3段階評価!」と心に念じてテイスティングをしていますが、気が付くとついつい「5段階評価」をしてしまっていることが多いので、常に注意が必要な部分です。