タイトルの通り、ワインの名称に出てくる 「Côte」 と 「Coteaux」 は非常に紛らわしい言葉です。 両者ともに丘陵地や斜面を表す言葉ですが、「Côte」は 「コート」 、「Coteaux」は 「コトー」 と表記されることが多いようです。 「Côte」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Côtes du Rhône (コート・デュ・ローヌ) ・Côtes de Provence (コート・ド・プロヴァンス) 一方で、 「Coteaux」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Coteaux Champenois (コトー・シャンプノワ) ・Coteaux Bourguignons (コトー・ブルギニヨン) この2つの言葉の違いを調べてみましたが、どうやら 「Côte」 の方が狭い、特定の丘陵地・斜面を表し、 「Coteaux」 は比較的広い地域を表し、複数の丘陵地・斜面を表すことが多いようです。 例えば、 「Côtes du Rhône 」 はローヌ川沿いにある斜面という特定の地域のブドウ畑から造られたワインを示しています。一方で、 「Coteaux Champenois」 は、シャンパーニュ地方にある広範囲の数々の丘陵地から造られたワインを指しているようです。 詳しいことはそこまでよくわかりませんが、 ・「Côte」 → 狭い、特定のエリア ・「Coteaux」 → 広い、包括的なエリア のような使われ方のようです。 ちなみに、プロヴァンス地方のロゼワインのAOCでは、広さにそんなに違いがないにも関わらず「Côte」と「Coteaux」 の名が付くAOCが入り混じっています。 「Côte」と「Coteaux」 のどちらが含まれるのかは、必ずしも広さだけでは決まらないようです。 <了>
「coulure = クリュール、クルール、花振るい」です。
coulure とは、ブドウの房における受粉・結実不良です。
「花振るい」もあまり聞きなれない言葉ですが、辞書では「花が多数開花しても、着果が極めて少ない現象。ブドウによくみられる。」と説明されています。
同様の症状を表す英語として「shatter」という言葉が使われることもあるそうです。
ブドウの実は、果房に含まれる1つ1つのブドウの花で受粉が成功することで結実します。
一定数の花で受粉・結実の不良が起こることは通常でも起こることですが、coulure(クリュール)は高い割合でこの受粉・結実不良が起こることを指すそうです。
ブドウの結実の数が減ることで、収穫量は大幅に減少します。
coulure(クリュール)の原因は、ブドウの栄養分である炭水化物の不足であると言われています。例えば、気温が低く曇りの日が多かったり、その反対に、気温が高すぎてブドウ樹が水不足を起こしてしまったりで、光合成が妨げられる場合などです。
また、ブドウの枝葉が成長しすぎて、ブドウの実に十分に炭水化物が行きわたらない場合も、coulure(クリュール)の原因となるようです。
ブドウの結実障害として、他には「millerandage(ミルランダージュ)」というものがあります。
これは、種の無いブドウが高い割合で結実することを指すようです。種の無いブドウは、小さく緑色のまま成熟しないことがあるため、これも収穫量の減少や、ワインの品質の劣化につながるそうです。
millerandage(ミルランダージュ)の原因は、受粉・結実期の低い気温や、湿度の高さ、風の強さなどと言われています。