ワインの香りを表現する際に、しばしば 「スギ」 という言葉が登場します。 この「スギ」という言葉は、おそらく英語の「Cedar」に由来しており、Cedarは正確には日本のスギと異なるセイヨウスギを意味します。 厳密には、日本のスギは、マツ綱のヒノキ科スギ属で日本固有種であり、Cedar は、マツ目マツ科のヒマラヤスギ属です。 香りとしては、スギもCedar(ヒマラヤスギ)も一般に、 森林浴を思わせる爽やかさや清涼感を香り を持つと言われています。基本的には、 「スギ」 も 「Cedar」 を似たような香りを持っているようです。 さて、ワインにおいて 「Cedar」 という言葉が使われる場合、多くの場合、これは 樽熟成を経た赤ワイン に対して使われます。「Oak」という表現に類似しており、 ワインが持つ木の香り を表す言葉として使われます。(※樽熟成の代わりにオークチップを使った場合でも感じられるようですが、その香りは弱くなるようです) そのため、香りのタイプとしては通常、 第2の香り(ワイン醸造に関係する香り) に分類されています。 また、ブドウ品種としては 「カベルネ・ソーヴィニヨン」 によく使われる言葉としても知られています。 カベルネ・ソーヴィニヨンは、製造工程において、比較的、 長期の樽熟成を伴う ことの多いブドウ品種です。そのため、ワインはオーク樽由来の木の香りを帯びることが多く、このような表現と相性が良いのだと思います。 また、カベルネ・ソーヴィニヨンは品種由来の香りとして、 「メンソール」 や 「ハーブ」 のような 青さや清涼感のある香り を持つことで知られています。これが樽熟成に由来する木の香りと相まって、森林浴を思わせる爽やかさや清涼感をもつ 「Cedar」 や 「スギ」 という表現用語で表されるのだと思います。 時々、カベルネ・ソーヴィニヨンの品種特徴として「スギの香り」と書かれていることがありますが、樽熟成を伴わないカベルネ・ソーヴィニヨンからはもしかしたらスギの香りは感じられないかもしれません。 一般的に、「スギ」や「Cedar」の香りを持つ赤ワインは、フレンチオークで熟成されたものであると言われています。例えば、ボルドーの赤ワインや、高品質なナパバレーのカベルネ・ソーヴィニヨンなどがこれに当たります。 アメリカンオークが樽熟成に使われた場
「クラウディ・ベイ ソーヴィニヨン・ブラン 2019(Cloudy Bay Sauvignon Blanc 2019)」です。
クラウディ・ベイのソーヴィニヨン・ブランは、私の中では”The New Zealand's Premium Sauvignon Blanc”です。
ニュージーランドの、特にマールボロの素晴らしいソーヴィニヨンブランを味わいたいのであれば、おすすめの1本です。
世界的な高級ブランドグループであるLVMHグループに属するMHD(モエ ヘネシー ディアジオ)が扱うブランドだけあり、ブランド力もピカイチでで、プレゼントにしても喜ばれそうです。
その一方で、年々価格が高くなっているような気がするのが気になるところです。
今回は、他のワインと一緒にネットで注文をしたおかげで、3,000円以内に収めることができました。
【購入のポイント】
・ニュージーランド、マールボロのソーヴィニヨン・ブラン
・典型的なNZ(Marlborough)のソーヴィニヨンブランドを探していたので購入しました
・MHDのブランド力と安心感(おしゃれなラベルも好きです)
・価格が手ごろ(3,000円以内!)
【感想】
香りを取ると、ニュージーランドのソーヴィニヨンブラン特有の、力強く華やかなパッションフルーツと青草の香りが感じられます。ワインをひと口くちに含むと、ドライな味わいに、やや高い酸味と華やかな香りが見事にマッチしており、いつ飲んでも素晴らしいワインだと思いました。
【テイスティングノート】(ワイン素人の個人的な評価です)
外観は、淡いレモン色。ソーヴィニヨンブラン特有の緑がかった感じも見られます。
香りの強さはとても強く、新鮮なレモン、モモ、パッションフルーツや、アスパラガス、濡れた石などの香りが感じられます。
味は、辛口でやや強い酸味、中程度のアルコール、ミディアムボディです。
風味は強く、余韻はやや長く残ります。
とても良いワインに思えました。
強い果実の風味と、やや強い酸味のバランスがよくとれています。
後味は、最初に新鮮なレモン、モモ、パッションフルーツの香りがやや長く残り、その後に、酸味が残ります。
果実味は十分なのですが、少し風味が一元的で複雑さにかける気がします。(しかし、これは早飲みタイプのソーヴィニヨン・ブランの基本的な特徴だと思います)
果実味の強さは十分ですが、瓶熟成による発展はなさそうなので、熟成の可能性はなさそうです。熟成を経ると、果実味が弱まり、酸味だけが強調されてワインのバランスが崩れてしまうと思います。
【その他】
今回飲んだ、早飲みタイプのものとは別に、クラウディ・ベイのソーヴィニヨン・ブランには「クラウディー ベイ テ ココ(CLOUDY BAY TE KOKO)」というラインアップもあります。
これは小樽で自然発酵・長期熟成させたソーヴィニヨン ブランで、完熟した柑橘類やトロピカルフルーツのアロマと、ブリュレやキャラメルのようなフレーバーを持つそうです。
「ニュージーランドのソーヴィニヨンブラン=早飲み」というステレオタイプからは一線を画していると思うのですが、こちらもいつか試してみたいと思います。