ドイツワインは、ワイン法によって大きく 4つ に分けられています。 原産地名称保護のある「 プレディカーツヴァイン(Prädikatswein) 」と「 クヴァリテーツヴァイン(Qualitätswein) 」、地理的表示保護のある「 ラントヴァイン(Landwein) 」、そして、地理的表示のない「 ドイッチャー・ヴァイン(Deutscher Wein) 」の4つです。 図で表すと次のようなピラミッドで表されます。ドイツワインを学ぶ場合、これはおなじみのチャートです。 これは基本的には、 品質分類の順位 を表したものだと思います。つまり、そのワインの 生産における制約の厳しさ を、上から順に並べたものだと思います。 例えば、最上位のプレディカーツヴァインの製造には、ブドウの栽培地、収穫方法、ブドウ中の最低糖度、ラベル表示などに厳しいルールが設けられています。しかし一方で、最下位のドイッチャー・ヴァインにおいてはドイツ国内であれば特にブドウ栽培地の制約はなく、その他についてもそれほど厳しい制約はありません。 そして、このような特徴を持つ品質分類のピラミッドにおいて、私は長らく勘違いをしていました。 それは、 「基準が厳しい=生産量が少ない」という思い込み です。そのため、生産量は階層が下のものの方が多く、上位になるにつれて減っていくと思っていました。 ちょうどピラミッドのチャートが表すように、下位の ドイッチャー・ヴァインやラントヴァインがドイツワインの生産量を下支えしている のだと思い込んでいました。 しかし、実際の生産量は、その思い込みと異なりました。 生産量を考慮すると、ピラミッドは概ね次のような形となります。 ドイツワインの生産量を下支えしていると思われていた「 ドイッチャー・ヴァイン 」と「 ラントヴァイン 」を合わせた生産量は実は全体の4%ほどしかないそうです。 そして、残りの生産の2/3ほどを「 クヴァリテーツヴァイン 」が占めており、残りの1/3ほどが「 プレディカーツヴァイン 」です。 実は、日常的にもっとも多く飲用されているワインは、このチャートが表すように「 クヴァリテーツヴァイン 」なのだとか。 今回の件は、チャートによる視覚的効果によって、事実を誤認してしまう典型的な例の1つだと思いました。 このような品質基準のピラミッドチャート...
「クラウディ・ベイ ソーヴィニヨン・ブラン 2019(Cloudy Bay Sauvignon Blanc 2019)」です。
クラウディ・ベイのソーヴィニヨン・ブランは、私の中では”The New Zealand's Premium Sauvignon Blanc”です。
ニュージーランドの、特にマールボロの素晴らしいソーヴィニヨンブランを味わいたいのであれば、おすすめの1本です。
世界的な高級ブランドグループであるLVMHグループに属するMHD(モエ ヘネシー ディアジオ)が扱うブランドだけあり、ブランド力もピカイチでで、プレゼントにしても喜ばれそうです。
その一方で、年々価格が高くなっているような気がするのが気になるところです。
今回は、他のワインと一緒にネットで注文をしたおかげで、3,000円以内に収めることができました。
【購入のポイント】
・ニュージーランド、マールボロのソーヴィニヨン・ブラン
・典型的なNZ(Marlborough)のソーヴィニヨンブランドを探していたので購入しました
・MHDのブランド力と安心感(おしゃれなラベルも好きです)
・価格が手ごろ(3,000円以内!)
【感想】
香りを取ると、ニュージーランドのソーヴィニヨンブラン特有の、力強く華やかなパッションフルーツと青草の香りが感じられます。ワインをひと口くちに含むと、ドライな味わいに、やや高い酸味と華やかな香りが見事にマッチしており、いつ飲んでも素晴らしいワインだと思いました。
【テイスティングノート】(ワイン素人の個人的な評価です)
外観は、淡いレモン色。ソーヴィニヨンブラン特有の緑がかった感じも見られます。
香りの強さはとても強く、新鮮なレモン、モモ、パッションフルーツや、アスパラガス、濡れた石などの香りが感じられます。
味は、辛口でやや強い酸味、中程度のアルコール、ミディアムボディです。
風味は強く、余韻はやや長く残ります。
とても良いワインに思えました。
強い果実の風味と、やや強い酸味のバランスがよくとれています。
後味は、最初に新鮮なレモン、モモ、パッションフルーツの香りがやや長く残り、その後に、酸味が残ります。
果実味は十分なのですが、少し風味が一元的で複雑さにかける気がします。(しかし、これは早飲みタイプのソーヴィニヨン・ブランの基本的な特徴だと思います)
果実味の強さは十分ですが、瓶熟成による発展はなさそうなので、熟成の可能性はなさそうです。熟成を経ると、果実味が弱まり、酸味だけが強調されてワインのバランスが崩れてしまうと思います。
【その他】
今回飲んだ、早飲みタイプのものとは別に、クラウディ・ベイのソーヴィニヨン・ブランには「クラウディー ベイ テ ココ(CLOUDY BAY TE KOKO)」というラインアップもあります。
これは小樽で自然発酵・長期熟成させたソーヴィニヨン ブランで、完熟した柑橘類やトロピカルフルーツのアロマと、ブリュレやキャラメルのようなフレーバーを持つそうです。
「ニュージーランドのソーヴィニヨンブラン=早飲み」というステレオタイプからは一線を画していると思うのですが、こちらもいつか試してみたいと思います。