今回は、個人的に特徴が似ていると思う3種類のワインの比較をしてみたいと思います。
ワイン①:ドウロ・ルージュ
・ブドウ品種:ティンタ・ロリス、ティンタ・バロッカ、トウリガ・フランカ、トウリガ・ナシオナル
・ワイン名:Quinta dos Avidagos Douro Tinto Reserva 2016
ワイン②:バロッサ・ヴァレー・シラーズ
・ブドウ品種:シラーズ
・ワイン名:Barossa Valley Shiraz Powell & Son 2017
ワイン③:メンドーサ (ルハン・デ・クージョGI)・マルベック
・ブドウ品種:マルベック
・ワイン名:Alpamanta Estate Malbec Alpamanta Estate Wines 2011
3ついずれもパワフル&スパイシーで、果実味としっかりとした骨格を持つワインです。
外観の比較
まず外観は、次の写真の通りです。
どれも最も濃い部類のルビー色で、見た目にそれほど違いはありません。
ドウロとバロッサシラーズがやや紫がかっているように感じられますが、これは2つがマルベックに比べて若いワインであるためで、品種による違いではないと思います。
香りの比較
香りの比較については、どれも熟した黒系果実とスパイシーな香りという、かなり似通った特徴を持っていました。
しかし、若干ながら、それぞれのワインに香りの違いもありました。
まず、ドウロは3つの中で最も控えめなタイプの香りを持ち、香りが最も閉じこもっている印象を持ちました。華やかさの少ないスパイスであるクローヴで形容されるような香りが近いのではないかと思いました。
バロッサヴァレーの香りの特徴は、少し鼻にスーッと感じられるような、コショウを思わせる香りを持つことでした。また、3つの中ではヴァニラやコーヒーで形容される樽香が最も顕著に感じられるワインでもありました。
メンドーサのマルベックは、3つの中では最も果実感が感じられるワインであり、黒系果実に加えて、乾燥プルーンで形容されるような香りを持っていることが特徴だと思いました。また、リコリスのような甘さが感じられることも特徴的でした。
味わいの比較
最後に味わいについての比較です。
どのワインもフルボディでしっかりした骨格を持っているという点は共通する特徴であり、品種による特徴を見つけるのは難しいと思いました。
しかし、タンニンの性質や、アルコール度には若干の違いがみられました。
まず、タンニンの性質としては、ドウロのタンニンに収斂性を感じる一方で、バロッサシラーズとマルベックのタンニンは非常によく成熟しておりまろやかな性質を持っていました。
またアルコール度はドウロは中程度である一方、バロッサシラーズとマルベックは比較的高いアルコール度でした。特にマルベックは15.0%とかなり高いアルコール度でした。
これは、品種による影響もあるかもしれませんが、バロッサヴァレーやメンドーサの気候がより暖かいという影響があるのだと思います。
まとめ
まず最初に、この3つのワインはとても特徴が似ているので、ブラインドテイスティングで見分けるのは非常に難しいと思いました。
これらのうち1つが提出された場合、正しくそれを見分けることはおそらく自分にはできないと思いました。
しかし、見分けるためのヒントになりそうなことは、今回のテイスティングを通して少しわかったような気がします。
それは次の通りです。
ドウロ → タンニンがやや未熟、アルコール度や果実味も他の2つに比べると若干低め
バロッサヴァレー・シラーズ → タンニンが成熟してまろやか、アルコール度は高め、果実味が豊富でそれとバランスの取れた樽香がしっかりときいている
メンドーサ・マルベック → タンニンが成熟してまろやか、アルコール度が結構高い、果実味が豊富、樽香はバロッサほどは顕著ではない
今回味わったワインがそれぞれの代表的な特徴を持っているとは限りませんが、1つの参考にはなるのではないかと思いました。
<了>