タイトルの通り、ワインの名称に出てくる 「Côte」 と 「Coteaux」 は非常に紛らわしい言葉です。 両者ともに丘陵地や斜面を表す言葉ですが、「Côte」は 「コート」 、「Coteaux」は 「コトー」 と表記されることが多いようです。 「Côte」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Côtes du Rhône (コート・デュ・ローヌ) ・Côtes de Provence (コート・ド・プロヴァンス) 一方で、 「Coteaux」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Coteaux Champenois (コトー・シャンプノワ) ・Coteaux Bourguignons (コトー・ブルギニヨン) この2つの言葉の違いを調べてみましたが、どうやら 「Côte」 の方が狭い、特定の丘陵地・斜面を表し、 「Coteaux」 は比較的広い地域を表し、複数の丘陵地・斜面を表すことが多いようです。 例えば、 「Côtes du Rhône 」 はローヌ川沿いにある斜面という特定の地域のブドウ畑から造られたワインを示しています。一方で、 「Coteaux Champenois」 は、シャンパーニュ地方にある広範囲の数々の丘陵地から造られたワインを指しているようです。 詳しいことはそこまでよくわかりませんが、 ・「Côte」 → 狭い、特定のエリア ・「Coteaux」 → 広い、包括的なエリア のような使われ方のようです。 ちなみに、プロヴァンス地方のロゼワインのAOCでは、広さにそんなに違いがないにも関わらず「Côte」と「Coteaux」 の名が付くAOCが入り混じっています。 「Côte」と「Coteaux」 のどちらが含まれるのかは、必ずしも広さだけでは決まらないようです。 <了>
「アメリン&ウィンクラー博士によるワイン産地の気候区分」を地図にまとめてみました。
地図を使うと、他地域との地理的な比較がわかりやすく、すんなり頭に入ります。
そもそもこの気候区分という考え方自体、世界の異なる地域の栽培環境や、そこで造られるワインスタイルを比較するために考え出されたそうです。
アメリン&ウィンクラー博士による気候区分は、ブドウの成育期の積算温度によってワイン産地を区分する考え方で、「Growing Degree Days (GDD) = 積算成長度日」と呼ばれるそうです。
もともとは、カリフォルニアのブドウ産地を比較するために作られたのだとか。
ヨーロッパや日本では、基本的には緯度がそのまま気候区分に比例していますが、カリフォルニアでは緯度と気候区分の間に直接の関係はないようにみられます。カリフォルニアのワイン産地の気候は、寒流であるカリフォルニア海流の影響を強く受けるためです。このような気候的特徴を持つカリフォルニアでは、GDDモデルが活躍するのもよくわかるような気がします。
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