マスト(ブドウ果汁や果肉、果皮などの混合物)の発酵温度によって出来上がるワインにどのような特徴の違いが出るのかをまとめてみました。 まず発酵温度についてですが、白ワインと赤ワインでは、低温、高温と言われる発酵温度は異なります。 一般に、白ワインの方が赤ワインに比べて低い温度で発酵されます。 低温での発酵の特徴 低温での発酵の特徴は、フレッシュでフルーティーな香りが生成・保持されやすいこと、また、ブドウからの果汁以外の成分の抽出度合いが低いことです。 それにより、出来上がるワインはフレッシュで果実味があり口当たりの良いものになると言われています。 しかし一方で、長期熟成に必要な果実の香りの凝縮度や、骨格となるタンニンや酸味が十分に抽出されないために、早々に出荷されて消費されることを目的とした早飲みタイプのワインになりやすいと言われています。 ちなみに白ワインの発酵温度が赤ワインよりも低い理由は、白ワインにとってフレッシュでフルーティーな香りはより重要で、赤ワインのようにタンニンの抽出を必要としていないことにあるようです。 高温での発酵の特徴 高温での発酵の特徴は、ブドウの果皮などからの抽出度合いが高まるために、果実の香りの凝縮度や、骨格となるタンニンなどの成分が果汁内に多く抽出されることです。 一方で、揮発性のエステルなどの成分が失われてしまうことで、フレッシュでフルーティな香りが失われてしまうとも言われています。 このような発酵の特徴から、高温で発酵された場合には、より長期熟成に向いたワインが出来上がると言われています。 <了>
前回の記事『ワインエキスパート2次試験対策で飲んだ「ワイン以外のお酒」 ~酒精強化ワイン編~』の続きで、今回は「酒精強化ワイン」です。
酒精強化ワインの特徴は、アルコール度がワインと同等かやや高めであること(15-20%くらい)です。中には長期熟成を経ているものもあり、熟成香(生物学的熟成[フロール]、酸化熟成)を持つものがあることも特徴の1つかもしれません。
酒精強化ワインは、「シェリー」、「ポートワイン」、「その他(マデイラなど)」に分けて味わいました。それぞれ製法の違いによって、香りや風味に大きな特徴の違いが出るので、この分け方がわかりやすいと思いました。
「シェリー」は辛口の4種類を味わいました。しかし、今思えば、ペドロヒメネスや、ペイルクリーム、ミディアム、クリームなどの甘口シェリーも味わうべきだったかもしれません。
※後程一通り味わいました→(関連記事:酒精強化ワインの私的な見分け方(シェリー、ポートワイン、マデイラ、VDN、ラザグレン・マスカット))
※今回の画像のメモも完全な個人的な感想です。
「ポートワイン」は、ホワイトポート、ルビーポート、トウニーポートを味わいました。
トウニーポートの淡い褐色がかった色は、必ずしも長期熟成によるものではないので注意が必要です。
熟成年数表記トウニーポートからは熟成香を感じられる一方で、通常のトウニーポートからは熟成香を感じることができませんでした。
マデイラは、甘さが控えめなセルシアルなども味わってもよかったかもしれません。