イタリアのマルケ州のDOCGは、名前が複雑なものがあって覚えるのが大変です。
特にヴェルディッキオ(Verdicchio)種から造られる2種類のDOCGワインである「カステッリ・ディ・イエージ・ヴェルディッキオ・リゼルヴァ」と「ヴェルディッキオ・ディ・マテリカ・リゼルヴァ」は名前が長くて複雑です。
しかし、これらのワインがそれぞれ「イエージ」と「マテーリカ」という地域で造られる「ヴァルディッキオ」主体のワインであると覚えておくと、比較的その名前は頭に入りやすいと思います。
このように、マルケ州のDOCGを覚えるために役立つ地名を簡単に地図にまとめてみました。
それぞれの地域は「イエジ(Jesi)」、「マテーリカ(Matelica)」、「コーネロ(Conero)」、「オフィーダ(Offida)」、「セッラペトローナ(Serrapetrona)」です。
(※コネーロは、コネーロという明確な地名は無かったので、コネーロ山のある辺りです。山の名前から来ている地名なのか、昔の地名なのか、あまりよく分かりません。)
そして、次の図がそれぞれの地域で造られるDOCGワインです。
内陸の涼しい地域の「イエジ」や「マテーリカ」では、ヴェルディッキオ種主体の白ワインが造られています。ヴェルディッキオ種はマルケ州で最も多く栽培されている白ブドウ品種です。
海沿いの暖かい地域では「コーネロ」や「オフィーダ」では、モンテプルチァーノ(Montepulciano)種主体の赤ワインが造られています。モンテプルチァーノ種はマルケ州を代表する黒ブドウ品種です。
ちなみに「オフィーダ」ではペコリーノ(Pecorino)とパッセリーナ(Passerina)という名前の白ブドウ品種から造られる白ワインもオフィーダDOCGとして製造されています。
最後に「セッラペトローナ」では、ヴェルナッチャ・ネーラ(Vernaccia Nera)種という土着品種から発泡性の赤ワインが造られています。ブドウの一部をアパッシメントして造るワインですが、流通量が少なくなかなか手に入らないワインのようです。
マルケ州のDOCGは、基本的に「白ワイン=ヴェルディッキオ」、「赤ワイン=モンテプルチァーノ」と考えて、「オフィーダの白と、セッラペトローナは例外的」と覚えれば、暗記はスムーズに進みそうです。