シャンパーニュ(シャンパン)をすごく大雑把に分けると、ヴィンテージ・シャンパーニュとノンヴィンテージ(NV)・シャンパーニュの2種類に分けることができると思います。
そして、この2つのシャンパーニュには次のような違いがあることはよく知られています。
ヴィンテージ・シャンパーニュ
・同一収獲年のブドウのみから造られる
・ブドウの品質が良い年のみ造られる
・澱との最低熟成期間がNVよりも長い(3年以上)
ノンヴィンテージ・シャンパーニュ
・複数収穫念のブドウから造られる(リザーブワインを使用)
・基本的に毎年造られる
・澱との最低熟成期間が短い(15か月)
このような違いから、私はこの2つのワインの違いは、「ヴィンテージの方がちょっとだけ果実味と澱の香りが強い」くらいだと思っていました。
正直、ヴィンテージもNVもそれほど大きな違いはないと思っていました。
しかし...、最近機会があって、初めてヴィンテージ・シャンパーニュとNVシャンパーニュを飲み比べてみましたが、その違いの大きさにとても驚きました!
比べたワインは、「 ルイ・ロデレール・ブリュット・プルミエ NV (写真左)」と「ジ・ド・テルモン グラン・ヴィンテージ ブリュット 2006(写真右)」です。
まずは色。NVはレモン色であるのに対して、ヴィンテージの色はゴールドです。
そして、香りや風味。NVは新鮮なフルーツとイーストの香りであるのに対して、ヴィンテージには、フルーツ、熟成香(カラメル、ハチミツ、アーモンド)、イースト(トースト香り)など複雑な香りが含まれます。
ラベルを見ずに味わったなら、きっと両者が同じシャンパーニュであることはわからなかったと思うくらい、特徴の異なるワインでした。
このような違いが生まれる理由はどうやら、「瓶熟成のポテンシャル」の違いにあるようです。
NVは一般的に瓶詰め後直ぐが飲み頃として造られている一方で、ヴィンテージは瓶詰め後に瓶熟成を経ることで品質があがるように造られているそうなのです。
そのため、2006年のヴィンテージは瓶熟成によって第3のアロマ(熟成香)が強く表れ、味わいに大きな違いがでたのだと思われます。色が濃いのも、この長期の瓶熟成がその理由だと思われます。
NVとヴィンテージの比較は、その特徴の違いがはっきりと現れるのでぜひおすすめです。
今回は異なる作り手での比較でしたが、はっきりとした違いを知るために次回は同じ作り手での比較もしてみたいと思いました。