セントラル・オタゴと言えば、ニュージーランドで最も有名なワイン産地の1つです。
セントラル・オタゴは、ニュージーランドの地方行政区画である16の地方のうち、オタゴ地方に位置しています。
下の図でオタゴ地方の場所を見てみると、オーストラリアのタスマニア島よりも、やや緯度の高い場所に位置しています。
セントラル・オタゴはオタゴ地方の北部一帯を占めますが、それでも世界最南端のワイン産地と言われています。
ニュージーランドのワイン産地のほとんどが海洋性気候である一方で、セントラル・オタゴは半大陸性気候という独特な気候をもっています。これは、この地域がサザン・アルプスに囲まれているために、海からの影響から遮断されていることが原因だと言われています。
セントラル・オタゴの気候的な特徴は、暑い夏、日中と夜間の寒暖差(いずれも半大陸性気候が原因)、高い紫外線レベル(高緯度、オゾン層破壊、少ない大気汚染が原因)です。この地域で生産されるブドウ品種のほとんどをピノ・ノワールが占めますが、このような気候的な特徴を受けるために、製造されるワインは、色が深く、フルボディで、豊富な酸味と熟したタンニンを持ち、強烈な赤系と黒系果実の香りを帯びると言われています。
これがセントラル・オタゴに関する一般論ですが、この地域には6つのサブリージョンがあり、それぞれのサブリージョンによって若干のスタイルの違いがあるようです。
この記事では、個人的な備忘の目的も含め、それぞれのサブリージョンを整理してみようと思います。
まず、サブリージョンの位置ですが、いずれのサブリージョンもセントラル・オタゴ(地図の白線)のごく中心部に集中しています。およそ、下の地図の赤枠に収まる範囲です。
6つのサブリージョンには次のような地域が含まれます:
・アレクサンドラ
・ギブストン
・バノックバーン
・クロムウェル/ローバーン/ピサ
・ベンディゴ
・ワナカ
それぞれの位置関係を3Dの地図を使って調べてみました。地図の範囲は、ちょうど上の赤枠のエリアくらいです。(ただし、だいたいの場所を表しており、そこまで正確ではないかもしれません)
ちょうど中心部の湖の谷間に「バノックバーン」、「クロムウェル/ローバーン/ピサ」、「ベンディゴ」の3つのサブリージョンが位置しており、南東の端に「アレクサンドラ」、西端に「ギブストン」、北端に「ワナカ」が位置しています。
位置の違いはそのまま気候的な特徴や、製造されるワインの特徴の違いにもつながっています。
その違いを、調べてみた範囲で地図上に記述してみました。
サブリージョンの特徴を調べてみて分かったことは、先程説明をしたセントラル・オタゴの典型的なワインスタイルは、バノックバーンを中心とした主に中心部のサブリージョンで造られるものであるということです。
ギブストンや、アレクサンドラなどでは、そこまで凝縮感のあるスタイルではなく、典型的なワインスタイルと比べて、より果実のフレッシュさや酸味の豊かなスタイルのワインが造られているようです。
やはりサブリージョンによっては、かなりワインスタイルが異なる地域もあるようです。
今回の整理では、中部の3つのサブリージョン(「バノックバーン」、「クロムウェル/ローバーン/ピサ」、「ベンディゴ」)については、スタイルが似ているということで一括りにしてしまいましたが、新たな情報がわかればそれぞれの違いをさらに分析してみたいと思います。
<了>