今回のテーマは、ブルゴーニュの「コート・ド・ニュイ(Côtes de Nuits)」地区にある「 フラジェ・エシェゾー(Flagey-Echézeaux) 」村です。 場所は下の地図のように、モレ・サン・ドニ村、ヴージョ村、ヴォーヌ・ロマネ村の間に挟まれています。 コート・ド・ニュイの村名のワインが認められている他の村と比べると、特にそれほど小さい村でもありません。ヴージョ村やヴォーヌ・ロマネ村の方がよっぽど面積は小さめです。 しかし、このフラジェ・エシェゾー村ではその名を冠したAOCのワインを造ることは許されていません。つまり、「A.O.C. Flagey-Echézeaux」という名のワインは存在しません。 その代わり、この村で栽培されたブドウから村名を冠したワインを造る場合、全て「A.O.C. Vosne-Romanée」という隣の村の名前を冠したワインとして造られます。 なぜ、フラジェ・エシェゾー(Flagey-Echézeaux) には村名のワインが無いのでしょうか?少し疑問に思って、フラジェ・エシェゾーのブドウ畑について調べてみました。 まず、フラジェ・エシェゾーのブドウ畑の場所ですが、村名以上のワインを造ることのできるブドウ畑は、村の西側に局地化しているようです。村の中心地は、点線の楕円の部分に固まっているので、場所としては村の外れにあるようです。 この村の西側に局地化した畑のうち、大部分を占める畑は、特級畑である「エシェゾー(Echézeaux)」と「グラン・エシェゾー(Grands-Echézeaux)」です。 これら2つのグランクリュ畑から造られるブドウからは、唯一、フラジェ・エシェゾー村のアイデンティティの感じられる、「A.O.C. Echézeaux」と「A.O.C. Grands-Echézeaux」のワインが造られます。 残りの畑は、プルミエ・クリュ畑と村名ワイン畑となりますが、これらの畑で造られるワインはそれぞれ「A.O.C. Vosne-Romanée Premier Cru」と「A.O.C. Vosne-Romanée」となり、フラジェ・エシェゾー村の名前が使われることはありません。 それでは、ここでヴォーヌ・ロマネ村のブドウ畑の分布を見てみたいと思います。 これを見ると、ヴォーヌ・ロマネ村のブドウ畑は、フラジ...
ソーヴィニヨン・ブランの有名な地域をあげるとしたら真っ先に名前があがるのが、ロワールとニュージーランドだと思います。 しかし、そのスタイルは非常に対照的です。 ロワールのソーヴィニヨン・ブランの香りは控えめな香りのものが多い一方で、ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランは非常に香りが強いのが特徴です。 なぜこのような違いが生まれるのかを、両者の栽培環境とワインの醸造方法を比較することで調べてみようと思います。 まず最初に、ロワールの中でも代表的な産地であるサンセールと、ニュージーランドで代表的な産地であるマールボロについて、各要素の違いをまとめてみました。 ここで意外だったのが、両者ともに気候区分が「冷涼」エリアに位置することです。 何となく、 フランス → 涼しい → ライトボディのワイン ニューワールド → 暖かい → フルボディのワイン という固定観念があったのですが、両者ともに同じ気候区分に属していることを考えると、必ずしも温度差が単純にワインスタイルの違いを生み出しているわけではなさそうです。 そして、より大きな影響を与えている要素は、ニュージーランドの日照の強さにありそうです。 ソーヴィニヨン・ブランは、日照量によって香りの特徴が変わると言われる品種です。日当たりの良い環境で栽培されたブドウは成熟度が増しトロピカルフルーツのような香りを持つ一方で、日陰の多い環境で栽培されたブドウは草のような青い香りがより強く表れると言われます。 ニュージーランドは、南半球に位置することでオゾンホールの影響や、大気汚染の少なさによって、北半球に比べて4割程度高い紫外線にさらされているそうです。 また、特にマールボロに関して言うと、まわりを囲む山々が雨雲から畑を守っているために、年間の日照量もかなり長くなっているようです。 このように、ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランのワインが香り高い特徴を持つ大きな理由の1つとしては、この地域の強い日照量にあるのではないかと考察されます。 これに加えて、ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランの香りの強さに影響を与えていると思われる要因がさらに2つあります。 その1つは機械収穫です。 ニュージーランドでは機械による収穫が一般的です。機械収穫の場合は、ブドウは粒として収穫されて大きな容器で運ばれるため、輸送の際にブドウの実の破砕が...