スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

3月, 2025の投稿を表示しています

最新記事

「Petit Chablis」と「Chablis」の違いは?シャブリの4種類のワインの違いとは?を考察

 シャブリ・ワイン(シャブリ地区で造られるAOCワイン)は、全てシャルドネ種から造られる白ワインです。 シャブリはワイン産地としてはブルゴーニュに属していますが、コート・ドールなどのブルゴーニュのその他の地域と比べるとかなり北に位置しています。 どちらかというと、ブルゴーニュよりもシャンパーニュがすぐ近くにあり、また、内陸であることもあり、気候としてはかなり寒い地域であることがわかります。ちなみに、シャンパーニュでスパークリングワインが多く造られている理由の1つは、果実が十分に熟さないことがあり、シャブリでスティルワインを造る難しさが何となく想像できます。 そんな寒い気候の中で造られるシャブリのワインは、高い酸味とすっきりとした味わいが特徴の辛口ワインです。 シャブリ・ワインは品質レベルによって大きく次の4つに分けられています: - Petit Chablis(プティ・シャブリ) - Chablis(シャブリ) - Chablis Premiers Crus(シャブリ・プルミエ・クリュ) - Chablis Grands Crus(シャブリ・グラン・クリュ) ワインのラベルを見ると、そのワインがどの品質レベルのワインなのかは一目瞭然です。通常、4つのいずれかが大きくラベルに書かれているはずです。 最上級のグラン・クリュとプルミエ・クリュのワインの場合には、クリマと呼ばれる畑の名前が書かれている場合があります。 では、この4つのワイン、それぞれに何が異なるかというと、ブドウの栽培環境が大きく異なります。そして、それによって、出来上がるワインの味わいに違いが生まれます。 シャブリでは特に、斜面の性質と、土壌の違いが、大きく栽培環境の違いに寄与していると言われています。4つのワインの栽培環境の違いを、斜面と土壌の特徴でまとめてみると次のようになります。 基本的には、 プティ・シャブリ ↓ シャブリ ↓ プルミエ・クリュ ↓ グラン・クリュ の順番に、果実がより成熟しやすい環境にあり、より果実の凝縮度と骨格を持ったワインができあがります。 ワインの長期熟成能力(ワインを熟成させて品質の上がる可能性)は、基本的には果実味の凝縮度と骨格(特に酸味)で決まるので、プティ・シャブリは早飲みに適しており、グラン・クリュは長期熟成に適するワインとなります。 結果として、それぞれ...

「Petit Chablis」と「Chablis」の違いは?シャブリの4種類のワインの違いとは?を考察

 シャブリ・ワイン(シャブリ地区で造られるAOCワイン)は、全てシャルドネ種から造られる白ワインです。 シャブリはワイン産地としてはブルゴーニュに属していますが、コート・ドールなどのブルゴーニュのその他の地域と比べるとかなり北に位置しています。 どちらかというと、ブルゴーニュよりもシャンパーニュがすぐ近くにあり、また、内陸であることもあり、気候としてはかなり寒い地域であることがわかります。ちなみに、シャンパーニュでスパークリングワインが多く造られている理由の1つは、果実が十分に熟さないことがあり、シャブリでスティルワインを造る難しさが何となく想像できます。 そんな寒い気候の中で造られるシャブリのワインは、高い酸味とすっきりとした味わいが特徴の辛口ワインです。 シャブリ・ワインは品質レベルによって大きく次の4つに分けられています: - Petit Chablis(プティ・シャブリ) - Chablis(シャブリ) - Chablis Premiers Crus(シャブリ・プルミエ・クリュ) - Chablis Grands Crus(シャブリ・グラン・クリュ) ワインのラベルを見ると、そのワインがどの品質レベルのワインなのかは一目瞭然です。通常、4つのいずれかが大きくラベルに書かれているはずです。 最上級のグラン・クリュとプルミエ・クリュのワインの場合には、クリマと呼ばれる畑の名前が書かれている場合があります。 では、この4つのワイン、それぞれに何が異なるかというと、ブドウの栽培環境が大きく異なります。そして、それによって、出来上がるワインの味わいに違いが生まれます。 シャブリでは特に、斜面の性質と、土壌の違いが、大きく栽培環境の違いに寄与していると言われています。4つのワインの栽培環境の違いを、斜面と土壌の特徴でまとめてみると次のようになります。 基本的には、 プティ・シャブリ ↓ シャブリ ↓ プルミエ・クリュ ↓ グラン・クリュ の順番に、果実がより成熟しやすい環境にあり、より果実の凝縮度と骨格を持ったワインができあがります。 ワインの長期熟成能力(ワインを熟成させて品質の上がる可能性)は、基本的には果実味の凝縮度と骨格(特に酸味)で決まるので、プティ・シャブリは早飲みに適しており、グラン・クリュは長期熟成に適するワインとなります。 結果として、それぞれ...

シャブリワインが持つ「ミネラル感」とは何か?を考察

 シャブリのように、酸味が強く、果実味がそれほど豊富ではないワインの表現として、ときどき「 ミネラル感 」という言葉が用いられます。 「ミネラル」とは一般に、「鉱物」や「無機物」、「栄養としての無機質」を意味します。 しかし、これらの風味がどのようにワインから感じられるのかを考えてみると、なかなか具体的なイメージが浮かばないと思います。 ワインの「ミネラル感」とは一体、何のことを指しているのでしょうか? ここで一つ参考になるウェブサイトがありました。 それは「ミネラル感」を代表するワインである、「シャブリ」ワインのウェブサイトです: https://www.chablis-wines.com/tasting/minerality/minerality,3310,16328.html? ここでは、 「ミネラル感」 は次の3つの要素に分けられて説明されています。 - Ocean (磯っぽさ) - Land (土っぽさ) - Smoke (スモーキーさ) 「磯っぽさ」 の具体的な例としては、次のようなものがあげられています: ヨード、殻の内側、生ガキ、波しぶき 「土っぽさ」 の例としては次の通り: チョーク、白色石灰岩、火打石、火薬、濡れた石、乾いた大地に降る雨 そして、 「スモーキーさ」 の例としては次の通りです: 硫黄(擦ったマッチ)、燻煙香、スモークウッド シャブリのワインから感じられる 「ミネラル感」 は、おそらく、これら3つの要素のいずれかか、これらを組み合わせたものなのだと思います。 また、これら3つ以外の要素として、「塩味」もワインに「ミネラル感」を与えうる要素としてあげられていますが、これについては賛否両論があり、まだ十分に解明されていない部分があるようです。 ちなみに、個人的にはシャブリのワインを表す表現としては、「 火打石(flint) 」をよく目にします。 「火打石」 の香りとは、熱せられたり 打ち当てられたりした時のような 岩石の香り 、あるいは 煙の香り と言われています。 火打石の香りは、先ほどの3つの要素の中では 「土っぽさ」 に含まれていますが、その香りの特徴としてはどうやら、「土っぽさ」に加えて、 「スモーキーさ」 の特徴も含まれているようです。 「ミネラル=土っぽさ(岩石っぽさ)+スモーキーさ」 ととらえると、何となく「ミネラル...