タイトルの通り、ワインの名称に出てくる 「Côte」 と 「Coteaux」 は非常に紛らわしい言葉です。 両者ともに丘陵地や斜面を表す言葉ですが、「Côte」は 「コート」 、「Coteaux」は 「コトー」 と表記されることが多いようです。 「Côte」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Côtes du Rhône (コート・デュ・ローヌ) ・Côtes de Provence (コート・ド・プロヴァンス) 一方で、 「Coteaux」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Coteaux Champenois (コトー・シャンプノワ) ・Coteaux Bourguignons (コトー・ブルギニヨン) この2つの言葉の違いを調べてみましたが、どうやら 「Côte」 の方が狭い、特定の丘陵地・斜面を表し、 「Coteaux」 は比較的広い地域を表し、複数の丘陵地・斜面を表すことが多いようです。 例えば、 「Côtes du Rhône 」 はローヌ川沿いにある斜面という特定の地域のブドウ畑から造られたワインを示しています。一方で、 「Coteaux Champenois」 は、シャンパーニュ地方にある広範囲の数々の丘陵地から造られたワインを指しているようです。 詳しいことはそこまでよくわかりませんが、 ・「Côte」 → 狭い、特定のエリア ・「Coteaux」 → 広い、包括的なエリア のような使われ方のようです。 ちなみに、プロヴァンス地方のロゼワインのAOCでは、広さにそんなに違いがないにも関わらず「Côte」と「Coteaux」 の名が付くAOCが入り混じっています。 「Côte」と「Coteaux」 のどちらが含まれるのかは、必ずしも広さだけでは決まらないようです。 <了>
今回はピノノワールのワインの味わいが、産地によってどのように変わるのかを考察してみたいと思います。 (関連記事: メルローワインの味わいは産地によってどう変わるのか?チリ、アメリカ、フランス産の違いを考察 ) 取り上げる産地は次の通りです: ① ブルゴーニュ(フランス) ② ドイツ ③ カリフォルニア(アメリカ) ④ ニュージーランド ⑤ チリ ブルゴーニュ(フランス) ブルゴーニュは、世界の醸造家がお手本とするようなピノノワールの代表的な産地です。 今回取り上げたピノノワールの産地の中では比較的涼しい場所にあります。果実の成熟は全ての畑で毎年、約束されているわけではありません。 そのため、ボディは、広域AOCのワイン(Bourgogne AOCなど)でミディアム程度と言われています。涼しい地域であるために、酸味は高めで、アルコールは中程度(11.0~13.9%)です。タンニンについては、ピノノワールは果皮が薄い品種であるために、少なめ~中程度くらいです。 香りについては、赤系果実の香りを中心に、樽熟成のオークの香りが感じられるのが特徴です。新樽が一部利用されていることが多いですが、果実の成熟度に合わせて、バランスの取れた繊細な樽香が付けられていることが特徴です。 ブルゴーニュのワインは、広域AOCのものから、グランクリュまで品質の幅が広いため、その特徴も大きく変わりますが、おおよそ次のような特徴をもっているのではないかと考察します。 【外観】 ・中程度のルビー色 【香り】 ・中程度~強い香りの強さ ・フレッシュな赤系果実の香り(イチゴ、ラズベリー、赤サクランボ) ・樽香(クローブなど) ※果実の凝縮度が高いものほど、強い樽香を帯びている ・土、猟鳥類、キノコ ※数年の瓶内熟成を経たワインのみ 【風味】 ・辛口 ・高い酸味 ・少ない~中程度のタンニン ※ただし長期の樽熟成を経た高品質なワインはもう少し高め ・中程度のアルコール度 ・中程度のボディ ※品質の高いワインはより厚いボディを持つ 【品質・価格】 ・良いワイン~非常に良いワイン、素晴らしいワイン ・中程度~高価格帯が多い これらを踏まえると、ブルゴーニュの ピノノワールの特徴は、ミディアム程度のボディとアルコール、高い酸味、繊細な樽の香り になるのではないかと思います。個人的には、ミディアム...