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11月, 2021の投稿を表示しています

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ワインから感じられる「スギ」の香りとは?(考察)

 ワインの香りを表現する際に、しばしば 「スギ」 という言葉が登場します。 この「スギ」という言葉は、おそらく英語の「Cedar」に由来しており、Cedarは正確には日本のスギと異なるセイヨウスギを意味します。 厳密には、日本のスギは、マツ綱のヒノキ科スギ属で日本固有種であり、Cedar は、マツ目マツ科のヒマラヤスギ属です。 香りとしては、スギもCedar(ヒマラヤスギ)も一般に、 森林浴を思わせる爽やかさや清涼感を香り を持つと言われています。基本的には、 「スギ」 も 「Cedar」 を似たような香りを持っているようです。 さて、ワインにおいて 「Cedar」 という言葉が使われる場合、多くの場合、これは 樽熟成を経た赤ワイン に対して使われます。「Oak」という表現に類似しており、 ワインが持つ木の香り を表す言葉として使われます。(※樽熟成の代わりにオークチップを使った場合でも感じられるようですが、その香りは弱くなるようです) そのため、香りのタイプとしては通常、 第2の香り(ワイン醸造に関係する香り) に分類されています。 また、ブドウ品種としては 「カベルネ・ソーヴィニヨン」 によく使われる言葉としても知られています。 カベルネ・ソーヴィニヨンは、製造工程において、比較的、 長期の樽熟成を伴う ことの多いブドウ品種です。そのため、ワインはオーク樽由来の木の香りを帯びることが多く、このような表現と相性が良いのだと思います。 また、カベルネ・ソーヴィニヨンは品種由来の香りとして、 「メンソール」 や 「ハーブ」 のような 青さや清涼感のある香り を持つことで知られています。これが樽熟成に由来する木の香りと相まって、森林浴を思わせる爽やかさや清涼感をもつ 「Cedar」 や 「スギ」 という表現用語で表されるのだと思います。 時々、カベルネ・ソーヴィニヨンの品種特徴として「スギの香り」と書かれていることがありますが、樽熟成を伴わないカベルネ・ソーヴィニヨンからはもしかしたらスギの香りは感じられないかもしれません。 一般的に、「スギ」や「Cedar」の香りを持つ赤ワインは、フレンチオークで熟成されたものであると言われています。例えば、ボルドーの赤ワインや、高品質なナパバレーのカベルネ・ソーヴィニヨンなどがこれに当たります。 アメリカンオークが樽熟成に使われた場

珍しい赤色のスパークリングワイン!「ランブルスコ」と「スパークリング・シラーズ」の比較

 スパークリングワインと言えば、ほとんどが白もしくはロゼのベースワインから造られると思います。 代表的なものと言えば、シャンパーニュやプロセッコ。ロゼのワインは見つかっても、赤ワインから造られるシャンパーニュやプロセッコは見つからないと思います。 しかし、世界には赤いベースワインから造られるスパークリングワインも存在しています。 その中で有名なものと言えば、「ランブルスコ」と「スパークリング・シラーズ」です。 ランブルスコ(Lambrusco)は、イタリアのエミリア=ロマーニャ州のスパークリングワインで、主にランブルスコ種のブドウから造られます。 スパークリング・シラーズは、オーストラリアのスパークリングワインで、シラーズ種のブドウから造られます。 赤系スパークリングワインと言えばあげられるこの2種類のワインですが、その違いを個人的に考察してみました。ランブルスコ種は、ワインのタイプによって色とボディに幅があるので、今回は「ランブルスコ・レッジャーノ」と「ランブルスコ・ソルバーラ」の2種類を用意してみました。 外観 まず外観から。 外観については、ランブルスコは非常にバリエーションに富んでいます。左の3つは全てランブルスコなのですが、淡いピンク色、中程度のルビー色、濃い紫色と様々です。実際、ランブルスコは、淡いピンク色から深いルビー色までかなりのバリエーションに富んでいるそうです。 一方、スパークリングシラーズは、深いルービー色をしています。スパークリングシラーズは外観のバリエーションは多くなく、ほとんどが、深いルビー色かガーネット色をしているようです。 ランブルスコの外観がバリエーションに富んでいるために、ランブルスコとスパークリングシラーズを比べる場合、外見で見分けるのは正直至難の業だと思います。 香り ランブルスコとスパークリングシラーズを見分ける場合、香りは大きなヒントになるのではないかと思います。 ランブルスコの香りは 「赤系果実」 が大きな部分を占めている一方で、スパークリングシラーズでは 「黒系果実」 が圧倒的です。 個人的には、赤系果実はより軽い印象があり、黒系果実はより重い・深い印象を持っています。 私も経験があるのですが、陥りがちな間違いは、製法の特徴によって判断をしてしまうことです。 例えば、ランブルスコの製法はタンクメソッド(シャルマ方式)が