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ワイン名称に出てくるフランス語の「Côte」と「Coteaux」の違いとは?

 タイトルの通り、ワインの名称に出てくる 「Côte」 と 「Coteaux」 は非常に紛らわしい言葉です。 両者ともに丘陵地や斜面を表す言葉ですが、「Côte」は 「コート」 、「Coteaux」は 「コトー」 と表記されることが多いようです。 「Côte」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Côtes du Rhône (コート・デュ・ローヌ) ・Côtes de Provence (コート・ド・プロヴァンス) 一方で、 「Coteaux」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Coteaux Champenois (コトー・シャンプノワ) ・Coteaux Bourguignons (コトー・ブルギニヨン) この2つの言葉の違いを調べてみましたが、どうやら 「Côte」 の方が狭い、特定の丘陵地・斜面を表し、 「Coteaux」 は比較的広い地域を表し、複数の丘陵地・斜面を表すことが多いようです。 例えば、 「Côtes du Rhône 」 はローヌ川沿いにある斜面という特定の地域のブドウ畑から造られたワインを示しています。一方で、 「Coteaux Champenois」 は、シャンパーニュ地方にある広範囲の数々の丘陵地から造られたワインを指しているようです。 詳しいことはそこまでよくわかりませんが、 ・「Côte」 → 狭い、特定のエリア ・「Coteaux」 → 広い、包括的なエリア のような使われ方のようです。 ちなみに、プロヴァンス地方のロゼワインのAOCでは、広さにそんなに違いがないにも関わらず「Côte」と「Coteaux」 の名が付くAOCが入り混じっています。 「Côte」と「Coteaux」 のどちらが含まれるのかは、必ずしも広さだけでは決まらないようです。 <了>

ギリシャの赤ワインブドウ品種「アギオルギティコ」と「クシノマヴロ」を比較してみる

 ギリシャはワイン産地としては非常に伝統のある産地です。ワイン醸造の歴史は少なくとも5000年以上あると言われています。 ギリシャは土着品種の多さが特徴的なワイン産地であり、その数は300品種にものぼると言われています。 有名な土着品種と言えば、「サヴァティアノ」や「ロディティス」、「アギオルギティコ」、「クシノマヴロ」に「アシルティコ」などがあがります。 そしてそのうち、黒ブドウ品種は 「アギオルギティコ」 と 「クシノマヴロ」 の2種類です。 個人的にこの黒ブドウ2品種を何かと混同してしまうことが多いため、その特徴の違いを調べてみようと思います。 まず、 概要 から。 アギオルギティコ は、 ・ギリシャで 最も栽培されている黒ブドウ 品種 ・ さまざまなスタイルのワイン(辛口、ロゼ、甘口など) を造ることのできる品種 です。 一方で、 クシノマヴロ は、 ・ギリシャで 最も高く評価されている黒ブドウ 品種 です。 クシノマヴロのスタイルは、基本的に辛口赤ワインとして造られるようです。 次に 栽培地域 です。 アギオルギティコ は、 ・主に ペロポネソス で栽培され ・ PDOネメア のワインが評価されて います。 一方で、 クシノマヴロ は、 ・主に 北部ギリシャ (マケドニアなど)で栽培され、 ・ PDOナウサ のワインが最も有名 です。 ネメアとナウサのうち関係は、下の地図の通りです。 最後に ワインスタイル です。 アギオルギティコ は、 ・早飲みでフルーティーなスタイルの赤ワイン ・熟成能力を持つ複雑でフルボディの赤ワイン ・ロゼワイン ・甘口の赤ワイン など様々なスタイルのワインを造ります。 多くの アギオルギティコ のワインは、 ・濃い外観 ・熟した赤系果実、・甘いスパイス(オークに由来)の香り/風味 ・中程度の酸味 ・中~高程度の柔らかいタンニン ・中程度のアルコール を持つと言われています。 一方で、 クシノマヴロ のワインは、若いうちは、 ・不快に感じられるほどの高いレベルの酸味やタンニン ・果実というよりも野菜に近い風味 ・淡い外観 を持つために、よくネッビオーロに例えられるそうです。 多くのワインは瓶内熟成により発展し、 ・花、ハーブ、スパイス、皮革、土のような香り/風味(瓶内熟成後) を持つと言われています。 同じ赤ワインでもアギ...