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ワイン名称に出てくるフランス語の「Côte」と「Coteaux」の違いとは?

 タイトルの通り、ワインの名称に出てくる 「Côte」 と 「Coteaux」 は非常に紛らわしい言葉です。 両者ともに丘陵地や斜面を表す言葉ですが、「Côte」は 「コート」 、「Coteaux」は 「コトー」 と表記されることが多いようです。 「Côte」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Côtes du Rhône (コート・デュ・ローヌ) ・Côtes de Provence (コート・ド・プロヴァンス) 一方で、 「Coteaux」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Coteaux Champenois (コトー・シャンプノワ) ・Coteaux Bourguignons (コトー・ブルギニヨン) この2つの言葉の違いを調べてみましたが、どうやら 「Côte」 の方が狭い、特定の丘陵地・斜面を表し、 「Coteaux」 は比較的広い地域を表し、複数の丘陵地・斜面を表すことが多いようです。 例えば、 「Côtes du Rhône 」 はローヌ川沿いにある斜面という特定の地域のブドウ畑から造られたワインを示しています。一方で、 「Coteaux Champenois」 は、シャンパーニュ地方にある広範囲の数々の丘陵地から造られたワインを指しているようです。 詳しいことはそこまでよくわかりませんが、 ・「Côte」 → 狭い、特定のエリア ・「Coteaux」 → 広い、包括的なエリア のような使われ方のようです。 ちなみに、プロヴァンス地方のロゼワインのAOCでは、広さにそんなに違いがないにも関わらず「Côte」と「Coteaux」 の名が付くAOCが入り混じっています。 「Côte」と「Coteaux」 のどちらが含まれるのかは、必ずしも広さだけでは決まらないようです。 <了>

非ネイティブのWSETレベル3英語対策


私はWSETレベル3を英語で受講して、英語で受験し、無事合格をすることができました。

英語受講をする前までは、「ワイン英語がちゃんと聞き取れるのかな?」「講師からの質問に答えられるかな?」「他の生徒についていけるかな?」と不安ばかりでした。

英語受講は、世界で活躍するワインの専門家や、日本語クラスを受講できない英語ネイティブ向けで、私のような「ワイン英語を勉強したいだけの非ネイティブ」なんかが興味本位で参加をしてもよいのかと、受講申し込みをするまではかなり頭を悩ませました。

そんな私がWSETレベル3の英語受講や、英語受験のポイントだと思ったことを、英語学習にフォーカスをあてて紹介したいと思います。




ワインを英語を学んだきっかけと、学んでよかったと思うこと


英語でワインを学ぼうと思ったきっかけは、「英語でワインのことが話せるようになりたい!英語でテイスティングコメントが言えるようになりたい!」という単純なものでした。

そして実際にWSETの受講と受験を終えてみて、今では思いもよらなかったようなしっかりとした英語でのテイスティングコメントが言えるようになりました!これはWSETが提供しているSATと呼ばれるワインテイスティングツールのおかげでもあります。

(参考記事:SAT式ワインの英語テイスティングコメント(英語表現)


また、受講前には思いもよらなかった「さらなるワイン学習について興味が深まる」という大きなメリットも得られました。

(参考記事:ワインを英語で学ぼうと思ったきっかけと意外な発見

(参考記事:ワイン講座を英語で受けるメリット




英語受講対策:英語クラスについていくためのポイント


英語クラスを受講してはじめに思ったことは、受講生は当初思っていたような、ワインのプロや、英語ネイティブばかりではなかったことでした。

私のように興味本位でワイン英語を勉強したいと思っている日本人や、英語ネイティブではない外国人、また上位資格のディプロマを目指したいからレベル3を英語で受けている人など、様々な方々がいて少し安心したのを覚えています。

(参考記事:ワイン資格の勉強をしているのはどんな人たち?~日本語、英語クラスの違いなど~


講義で使われる英語は難しい言い回しなどは少なく、日本人にとっても比較的聞きやすい英語だったと思います。仕事や大学の講義などで、英語の講義や、英語のセミナー、英語の会議などに参加をした経験があり、大まかな内容を把握することができる人であれば、十分ついて行ける内容だと思いました。

(参考記事:WSET英語受講の講師の英語やその難易度について

(参考記事:WSETレベル3の英語クラス受講に必要な英語力


ブドウ栽培やワイン醸造に関わる部分に関しては、専門用語が多く登場したり、少し説明が複雑になるような部分もあったので、しっかり予習をしてから受講をした方がよいと思いました。(実際に、そのような部分に関しては、講師からも予習をしてくるようにとの案内がありました)

(参考記事:WSETレベル3の英語受講はブドウ栽培、ワイン醸造部分が難しい


私は、英語のリスニングに不安があったので、事前に英語に慣れるために無料サイトでリスニングトレーニングをしたり、WSETのオフィシャルサイトで紹介されているビデオを見たりしてから、実際の講義にのぞみました。

(参考記事:英語学習でお世話になったウェブサイト(WSET英語受講対策)

(参考記事:英語受講の参考になるWSETオフィシャルビデオ


また、講義の予習・復習もテキストの字面を追うだけではなく、英語のスピーキングや、リスニングを意識した方法で行いました。

(参考記事:ワイン英語が聞き取れなかった理由と、その対策



Amazonオーディオブック「Audible」では、リスニング学習に使える英語のワイン書籍がいくつか販売されています(無料試聴可) ↓





英語受験対策:テストに受かるためのポイント


以前にも似たような記事「WSET Level3に必要な英語力:テスト編」を書きましたが、時間が経って少し考え方が変わった部分がありましたので、更新の意味を込めてこのテーマについて書いてみようと思います。


私は英語が母国語ではないので、WSETレベル試験でもっとも不安だったのは英語の部分でした。JSAワインエキスパートに合格をしているし、WSETレベル3の試験で求められる正解率は55%と低いので、試験内容的には母国語の日本語で受ければまず落ちることはない試験だと思っていました。

実際に本番試験を終えてみて、試験においてどんな英語力が必要だったかを、その対策、失敗談も踏まえて振り返ってみようと思います。

WSETレベル3の英語試験で求められる英語力についての説明なので、英語受講をしている方だけではなく、日本語受講をして受験だけ英語で行う方にも参考になるかもしれません。


<テースティング試験(赤白2種)>


テースティングは正直もっとも英語力が求められない部分だと思います。求められる英語力は、定型フォーマットの英文に、そのワイン特有の特徴を当てはめていくだけ。唯一少し苦労をするとしたら、香りの特徴を表す"raspberry", "nutmeg"などのスペルを正確におぼえることだけです。私の場合、日頃からテースティングコメントを英語で書く習慣をつけること以外は特に英語対策は行いませんでした。

(参考記事:SAT式ワインの英語テイスティングコメント(英語表現)



<理論試験-選択式試験(50問 - 各1点)>


選択式問題50問で求められる英語力は「素早く問題文と選択肢に目を通して理解をする読解力」です。選択式問題50問のことだけを考えれば、ある程度の英語力があればそれほど難しいことではないのですが、素早く終わらせてこれに続く"記述式問題にできるだけ時間をとっておく"ことを考えると、それなりにしっかりと対策をしておくべき部分だなと思いました。

私は、テキストをしっかり読み込むことと、ネット検索で入手したサンプル問題を事前に解いておくことでこの対策を行いました。問題文や選択肢で出てくる単語はほとんどテキストで使われているものなので、意味の分からない単語はほとんどありませんでした。またサンプル問題は類似問題がたくさん出たので、かなりの時間を記述式問題にまわすことができました。

実際の試験ではほとんど出題されなかったのですが、サンプル問題では"not.../ un..."問題、いわゆる「~ではないものを選べ」という問題で間違えることが多かったので、このようなタイプの問題には特に気を付けて、重要な単語に下線を引いて解きました。また、該当する選択肢を全て選ぶ問題は、全ての選択肢を読まなければ回答ができないので、特に素早く選択肢に目を通すことに心掛けました。



<理論試験-記述式試験(4問 - 各25点)>


記述式問題で求められる英語力は、「問題文の真意を理解する読解力」と「英作文能力」です。英語を読むことに比べると英語を書くことの方が機会が少なかったので、はじめは英作文対策に気をとられがちでした。いかにきれいな英語を書くかということばかりに気をとられて、サンプル問題を解いても十分な得点が得られないことが多かったと思います。

しかし、試験対策を進めるにつれて読解力の方が重要だと思い、こちらに力をいれるようになりました。なぜなら問題の意図を正確に理解していなければ、どれだけ文章を書いても全てが的外れで、全く得点が加算されないからです。

読解力対策としては、文章をしっかり読んで何が問われているかをしっかり理解し、回答プランを整理してから書き始める癖をつけるようにしました。また、記述問題で問われることは大体きまったパターンがあるので、スクールでもらったりネットで見つけたサンプル問題を分析して、得点をもらうにはどんなことを書けばよいのかを調べ上げました。

英作文に関しては、日頃から授業のノートや、スクールからの宿題を英文で書くことで、英作文を日常生活に取り入れることで対策を行いました。私は英語受講だったので、当然このような流れになったのですが、日本語受講の場合でもまとめノートや宿題は英語でやった方がきっと効果的だと思います。

また、回答の記入にあたっては「文章をシンプルに書く(複文よりも、接続詞でつないで単文で書く)」「重要なキーワードは早めに登場させる」「得点がもらえない文章は書かない(一文で1点かそれ以上もらうことを目指す)」ことを心掛けました。時間も解答欄も限られているので、採点者に対して自分が問題のテーマを十分に理解していることを、いかに簡単に、文字数や時間をかけずにわかってもらうかを目指しました。

私が本試験で書いた英作文のレベルは、中学生で習う英語のレベルで、おそらくいくつか文法やスペルのミスがありましたが、結果は「Distinction」だったので十分得点はえられたのだと思います。

(参考記事:英語受験におけるスペルミスや文法エラーの扱いについての予測 (WSETレベル3)


英語受験の場合、何かと英語力に気を取られがちです。しかし、授業の予習や復習でテキストをひたすら読み込んで、試験対策用に重要部分の英文の書き出しを続けていると、本試験に必要な英語力は自然に身についてしまうものだと感じました。

(参考記事:英語の説明力を試されたルミアージュとデゴルジュマンの工程


WSETレベル3の試験対策全般については、こちらを参照してください:

(参考記事:WSET Level3の英語受験を一発合格した勉強方法



よく読まれている記事

WSETで納得!JSAで疑問だったギヨ・ドゥブルとコルドン・ロワイヤの違い

JSAワインエキスパートを学んでいた時に、ブドウ樹の仕立て方でずっと疑問に思っていたことがありました。 それは、 「ギヨ・ドゥブルとコルドン・ロワイヤの違い」 。 両者ともに世界的に広く採用されている仕立て方である「 垣根仕立て 」の代表例なのですが、 ギヨドゥブルは長梢剪定 、 コルドンロワイヤは短梢剪定 の例として紹介されていました。 (参考記事: ブドウ樹の仕立て、剪定とは?短梢剪定、長梢更新剪定とは? ) それぞれぱっと見の形はすごく似ていて、その違いは、枝の太さの違いだけ。ギヨドゥブルは2本に分かれる枝が細くて、コルドンロワイヤはそれが太い。 なぜこのような似通った2つの仕立て方が用いられているのか が、当時の私にはわかりませんでした。 JSAソムリエ・ワインエキスパート試験では、ブドウの栽培方法、特に仕立て方に関してはあまり深い知識は必要なかったために、この2つの機能的な違いや、長梢剪定、短梢剪定に関する説明は試験対策講座でも省略されていました。また、当時、独自でネット検索をして色々調べてみたのですが、結局答えはわからず終いでした。 それから一年、こんな疑問があったことも忘れてしまった頃、WSETレベル3の講義を受けて この疑問を解決することができました! ギヨ・ドゥブルとコルドン・ロワイヤの選定の流れ WSET の講義を受けて分かったことは、次のようなこと: ギヨ・ドゥブル では、前年の新梢が一本だけ残され、その枝(長梢)が水平方向に延ばされる ギヨ・ドゥブル では、水平に伸ばされた長梢の上に、その年の新梢が垂直に伸びる ギヨ・ドゥブル では、その年の収穫が終わったら、その年の新梢1本だけを残して、残りの枝は刈り取られる コルドン・ロワイヤ では、一昨年かそれ以前に作られた腕枝(コルドン)の上に、去年の新梢の一部(短梢)が残される コルドン・ロワイヤ では、短梢から今年の新梢が垂直に伸びる ギヨ・ドゥブル、コルドン・ロワイヤともに 、新しいブドウの房は新梢の上にできる (ギヨ・サンプル/ドゥブルの剪定の流れ) (コルドン・ロワイヤの剪定の流れ) 仕立てが出来上がった状態では、それぞれとても似通った形になって...

ブドウ樹の棚付けと、垣根仕立て(VSP)のメリット・デメリットの整理

 ワイン用のブドウ栽培では、多くのブドウ樹が棚付けされて管理されています。 棚付けとは、ブドウ棚を使用して毎年成長するブドウの枝葉を支持するブドウ樹の管理方法です。 ブドウ棚は下図のような、支柱と針金からなる常設の構造物を指します。 そして、ブドウの樹の棚付けの方法として最も広く使われている方法が 「垣根仕立て(VSP = Vertical Shoot Positioning)」 です。 垣根仕立てがあまりに一般的なので、個人的には、ついつい「棚付けのブドウ樹 = 垣根仕立て」と混同しがちです。 そこで整理のために、ブドウ樹の棚付けと、垣根仕立て(VSP)のメリット、デメリットをそれぞれまとめてみました。 棚付けしたブドウ畑(樹)のメリット・デメリット 棚付けの最大のメリットは、キャノピー・マネジメント(樹冠管理)が容易になることです。キャノピーとは、ブドウ樹で毎年成長する緑色の枝葉を指します(一般的に、長年にわたり固定されているコルドンは含まないと思います)。 そして、キャノピー・マネジメントのメリットとしては、「日照量」、「通気」、「機械化」の3つが挙げられます。 日照量のコントロールは、葉陰を減らすことによる日照量の最大化や、反対に葉陰を増やすことによる果実の日焼け対策が含まれます。 通気の管理は、特に雨や湿気の多い地域で重要であり、カビなどの菌類病のリスクを減らします。 また、適切なキャノピー・マネジメントにより、樹の特定の部分に果実や葉がくるようにしておくことは、畑への機械の導入を促します。これにより、作業の効率化を図ることができます。 一方で、棚付けのデメリットとしては、ブドウ棚設置のための初期費用と、それらを維持管理するための費用や手間があげられます。 ブドウ棚は、急斜面では利用できないこともデメリットの1つです。北ローヌなどの急斜面が多い畑では、ブドウ棚の代わりに支柱のみを用いた棒仕立てなどが用いられます。 (関連記事: 棒仕立て、ミストラル、混醸... ローヌ川流域北部のブドウ栽培とワイン造り ) 垣根仕立て(VSP)のメリット・デメリット 垣根仕立て(VSP)のメリットは、ブドウ樹の樹勢が一定以下の場合に、キャノピー・マネジメントがしやすいことと言われます。 したがってそのような場合には、「日照量のコントロール」、「通気の確保」、「作業の...

WSET Level3 記述式問題で重要に思えたところ(本試験の筆記問題対策)

繰り返しになりますが、WSET level3の最大の難関は記述式問題です。 (参考記事: WSET Level3 の試験構成 ) WSETの記述式問題では、出題されたテーマに対して、深く理解をしているかが問われます。 (参考記事: 一筋縄ではいかない!とてもWSET的だと思った記述式問題(問題例) ) そのため、記述式問題の基本的な対策は、WSETレベル3のテキストの読み込みと、講義ノートの見直しを主に行いました。 しかし、広大な産地全てについて、万遍無く、深く理解をするというのは途方もない作業に思われました。 さらに私の場合は英語受験だったので、日本語のようにテキストをスラスラ読むこともできるわけはなく、本試験までの日数から逆算をすると、とてもそんな時間は確保できないと思いました。 そこで記述式試験対策の方針としては、いくつか重要と思われる部分にヤマを張って、それらを重点的に勉強することにしました。「重要と思われる部分」は次のような判断基準で抜き出しました。 ・講義中に担当講師が「重要」「試験に頻出」と言っていた部分 ・サンプル問題で、何度も問われていた部分 (参考記事: WSET過去問は共有禁止!それでもWSETレベル3の試験問題の参考にしたウェブサイト ) ・複雑で、しっかり理解をしていないと説明ができないと思った部分(特に醸造工程のオプションなど) ヤマを張った部分に関しては何度もテキストを読み返して、テキストの重要ポイントは何度もノートに書きあげて英文を書く練習を続けました。 (参考記事: WSET Level3の英語受験を一発合格した勉強方法 ) (関連記事: WSET試験の記述問題対策では「動詞」が重要!? ) 「重要と思われる部分」として抜き出した具体例を下に紹介します: <ワインの保管とサービス> ワインの保管方法(参考記事: ワインの保管方法 ) ワインの提供温度 (参考記事: チャートで覚えたワインのサービス温度 ) ワインのデカンティング 発泡性ワインの栓の抜き方(参考記事: 非発泡性(スパークリング)ワインの栓の抜き方 ) ワインの保存に使われる方法(参考記事: ワインの保管方法 ) <ブドウ樹の栽培、畑の管理、ワインの醸造> 高接ぎとその特徴(参考記事: grafting(...

ソノマ・ナパ カウンティのサブリージョン(AVA)の私的な覚え方【語呂合わせ】

アメリカ、カリフォルニアの暗記の難関と言えば、ソノマ・ナパのサブリージョン(AVA)の暗記です。 正攻法で覚えると結構大変なので、ポイントを絞った覚え方を考えてみました。 (参考記事: ナパヴァレーAVAの覚え方を正攻法で考えてみる ) そのポイントとは、「 そのAVAが、ナパ、ソノマどちらに属するのか? 」ということです。 あるAVAが取り上げられて、「これはナパ、ソノマどちらのAVAでしょう?」という問題が結構頻出なので、個人的には結構つかえる覚え方ではないかと思っています。 ソノマと、ナパのAVAを五十音順に並べてみると、意外と頭文字が重ならないことに気が付きます。 「ア」と「チ」が頭文字のものは両者に含まれるので、「アレ」と「チョ」で覚えます。 重複する「ロスカーネロス」は超重要なので、これは自力で覚えます。 名前に「ソノマ」が含まれるものは、わざわざ頭文字を覚えるまでもないので、除外しています。 あとはこの頭文字を語呂合わせなどで覚えます。 例えば、下のように。 ソノマさえ覚えてしまえば、「ソノマ」と「ナパ」の2択の場合は、ソノマの頭文字に含まれていなければ自動的に「ナパ」であることがわかります。 一応、下はナパの頭文字の語呂合わせです。 (関連記事: JSAワインエキスパート試験6ヵ月(半年)集中勉強法 )

パロ・コルタド・シェリーとは?アモンティリャードとオロロソとの製法の違いを調べてみた

JSA試験、WSET試験を通して酒精強化ワインであるシェリー(Sherry)を学んできましたが、ずっと疑問に思っていたことがありました。 それは、「 パロ・コルタド・シェリーとは何なのか? 」です。 シェリーとは、スペイン・アンダルシア州カディス県ヘレス・デ・ラ・フロンテーラとその周辺地域で生産される酒精強化ワインのことで、ポート・ワイン(ポルトガル)、マデイラ・ワイン(ポルトガル)とともに、著名な酒精強化ワインと言われています。 シェリーには、フィノ(Fino)/マンサ二ーリャ(Manzanilla)、オロロソ(Oloroso)、アモンティリャード(Almontillado)、 パロ・コルタド(Palo Cortado) 、ペドロヒメネス(Pedro Ximenez)など様々な種類があります。 しかし、JSA、WSETどちらのテキストにおいても、 パロ・コルタド に関する記述 はとても少なく、製法に関する記述もなく、漠然とその特徴が書かれているだけでした。 その特徴は、 ・希少であること ・アモンティリャード(Amontillado)の香りを持つが、味はオロロソ(Oloroso)のボディとこくを持つ という2点だけです。 ずっと疑問に思っていたことを解決すべく、製法を中心にパロ・コルタドについて調べてみました。 参考にしたのは、次のサイトです: https://www.sherrynotes.com/sherry-types/palo-cortado/ https://www.sherrynotes.com/2015/background/palo-cortado-mystery/ まずは、パロ・コルタドの発祥から。パロ・コルタドは、もともとフィノとしては不適合として除外された樽からできたそうです。 <パロ・コルタドの発祥> ------------------------------------------------------------------------ ・パロ・コルタドは、もともとフィノ(Fino)の製造から偶然生まれたワインと言われている。 ・フィノシェリーでは、樽での熟成中にフロールと呼ばれる産膜酵母が発生し、フロールのもとで熟成される。しかし、フィノ樽の中には...

EUの甘味(残糖量)を表すラベル表示用語とその覚え方【語呂合わせなど】

EU内で生産される/EU内で販売するために生産される発泡性ワイン には、 甘味に関するラベル表示用語(Labelling term) が規定されています。 「Brut Nature」から「Doux」までの7段階 があり、それぞれに対して残糖量の範囲が決まっているのですが、これを覚えるのはなかなか大変です。 WSET L3 では、テキストに「試験では、ブリュット・ナチュール(Brut Nature)、ブリュット(Brut)、ドゥミ・セック(Demi-Sec)の用語と、それぞれの甘味のレベルに関する知識があれば十分である。」と丁寧に書かれているので、この3つだけを覚えれば十分で、暗記はそれほど大変ではありませんでした。 しかし、 JSAソムリエ・ワインエキスパート試験 では、細かい部分も出題される可能性があり、全ての用語と残糖量の範囲を試行錯誤を重ねて何とか覚えました。 (関連記事: JSAワインエキスパート試験6ヵ月(半年)集中勉強法 ) (関連記事: スパークリング・ワインの残糖量の表示の覚え方(新) ) その方法は次の①~④の通りです。 ------------------------------------------------------------- <発泡性ワインの甘味を表すEUのラベル表示用語> <覚え方> ①カテゴリ分けをする ・まず、7段階の表示を、Brut、Sec、Douxに分けて、それぞれ3つ、3つ、1つと覚えました。 ②Brutを覚える ・Brutが 最も残糖量の少ないカテゴリー であることを覚えました。「 Brut=untreated(未加工の)≒糖の添加を極力行わない 」と考えると容易に覚えられました。 ・ Brut Nature、Extra Brut、Brut の3つの表示用語があることを覚えました。 Nature(自然のままの)、Extra(格外の) という意味を考えると覚えるのは容易でした。 ・Brutの 最低残糖量は全て「0」 であることを覚えました。 ・Brut Natureの最大残糖量が「3」であることを覚えました。Natureには「生まれたままの」という意味があるので、「 3つ子の魂100まで ...

ソムリエ・ワインエキスパート試験で苦労をした年号の覚え方

WSETと比較をしてみると、JSAソムリエ・ワインエキスパート試験で特徴的な部分は、ワインに関する歴史が問われることでした。 (関連記事: WSETレベル3とJSAソムリエ・ワインエキスパート資格の違い、どちらがおすすめ? ) ワインやワイン産地には興味があるんですが、正直、ワインの歴史にはそこまで興味を持てませんでした。ワイン愛好家にとって重要なことは、おいしいワインを見つけることや、おいしいワインを飲むことであり、ワインがどんな歴史をたどってきたかなんて近代を除いてそんなに重要なことではないと思えるからです。 「歴史なんか覚えて、何の役に立つの?」正直こんな気持ちでした。 だから、いざ覚えようと思っても、興味のないことはなかなか覚えられません。ワインの色などは語呂合わせを駆使して覚えてきたのですが、年号関連は語呂を作っても同じような語呂ばかりになってしまい、この方法もあまり役に立ちませんでした。 そこで始めたのが、正確な年号を覚えるのはとりあえず置いておいて、年号の順番を覚えるというやり方。特定のトピックにおいて、関連した年号を1つの図にまとめていくと、何となく時代背景が見えてきて、少しずつ頭に入ってくるような気がします。さらに、キーとなる年号だけ覚えておけばその前後関係を覚えておくだけで、JSAソムリエ・ワインエキスパート試験は4択なので十分対応可能だと思いました。 例えば原産地管理法の年号は、ヨーロッパ→北米・南ア→南米・豪州→NZ・日本のように広まっていくのがわかります。 また、ブドウの伝来もヨーロッパ→南米→アメリカ・南ア→豪州→NZ→日本のように広がっています。 そして、日本も長野・山梨から始まり、北海道や山形に広がっていくのがわかります。 正確な年号を語呂合わせで覚えるよりも、こちらの方が時代背景がわかるので後々役に立つ知識になるとおもいました。 このような類似のトピックで情報を1つの図にまとめていくやり方は、その他覚えにくい生産量のデータや、気候区分を覚えるのにも役に立ちました。単なる数字を覚えるよりもずっと楽に暗記ができました。 例えば、フランス各地の栽培面積とワイン生産量。 そして、各地の気候区分。 試験中に具体的な数字が浮かばなくても、なんどなくこれらの図が頭に浮か...

なぜミュスカデはシュール・リー(sur lie)スタイルが多いのか?の考察

ミュスカデ(Muscadet) は、主にフランスの ロワール地方 、 ペイ・ナンテ地区 で栽培されているブドウ品種です。 ミュスカデはシノニムとして、「 ムロン・ド・ブルゴーニュ(Melon de Bourgogne) 」や単に「 ムロン(Melon) 」とも呼ばれています。 調べてみると、ミュスカデという名前は、もともとこの地域で造られる白ワインの名称だったようで、それが徐々に品種名として呼ばれるようになったのではと思います。 さて、ミュスカデと言えば、 シュール・リー(sur lie) スタイルのワインが有名です。シュールリーとは、「澱の上」を意味し、アルコール発酵後のワインを一定期間、澱と共に接触させておく醸造手法です。 (関連記事: lees の意味|英語ワイン書籍に出てくる英単語 ) この地域には「Muscadet」という名前の含まれたAOCが4つありますが、シュール・リーを経たワインにはいずれのAOCにも「sur lie」という表記をラベルに追加をすることができるようです。 このように、ペイ・ナンテ地区ではシュール・リー スタイルのミュスカデワインが多く造られていますが、 なぜシュール・リー スタイルが多用されるのか を独自に考察してみました。 なぜ、ミュスカデが多く栽培されているのか? まず、ロワールは、北緯47°近辺に位置します。比較的涼しい地域です。 特に、ペイ・ナンテ地区は、大西洋に近く、海風の影響を受けるので、内陸部に比べて雨が多く、気温は低めです。 このため、この冷涼な地域で育ち、成熟するブドウ品種は限られます。 一方で、ミュスカデ品種の特徴は次の通りです: 丈夫な品種 比較的、早熟 高収穫が可能 つまり、 冷涼で雨が多い地域でも、一定の成熟や収穫量が期待できる ということです。比較的早熟であることは、秋雨を避けて早めに収穫ができることにもつながります。 実際に、18世紀にこの地域を寒波が襲った際に、黒ブドウ品種が大きな損害を受けてしまい、代わりにミュスカデが植えられたという歴史もあるようです。 ミュスカデから造られるワインの特徴は? ミュスカデから造られるワインの特徴は次の通りです: 酸味が高い ライトボディ 低めのアルコール度 香りは弱め(青りんごの香り) つまり、酸味の強さに対してボディの軽いワインとなり、痩せた印象のワインになりがちだ...

コート・ド・ボーヌの村名の私的な覚え方【地図と語呂合わせ】

  「コート・ド・ボーヌ(Cote de Beaune)」の村名は正直言って、「コート・ド・ニュイ(Cotes de Nuits)」よりも覚えるのが大変です。 その理由は、村の名前が多いことです。 コート・ド・ボーヌの村名は、地域を区切って、主要な村を先に覚えていく方法が個人的には有効だと思います。 分け方は、「コルトンの丘付近」、「ボーヌ付近」、「シャニー付近」の3つの地域に分けました。 ちなみに、「コルトンの丘付近」は、特級畑「コルトン・シャルルマーニュ」を共有する3村、「ボーヌ付近」は赤ワインの生産が多い3村、そして「シャニー付近」は白ワインの生産の多い4村です。 コルトンの丘付近 コルトンの丘付近の村は、頭文字で覚えます。 ペルナン・ヴェルジュレス(Pernand-Vergelesses) アロース・コルトン(Aloxe-Corton) ラドワ・セリニィ(Ladoix-Serrigny) コルトンの丘を中心に反時計回りで、「 PAL 」となります。 この3村は先述の通り、特級畑「 コルトン・シャルルマーニュ 」を有していることで有名です。 (関連記事: 地図を使うと覚えやすい!コルトンの丘のグラン・クリュAOCの暗記法 ) ボーヌ付近 ボーヌ近辺の3村は、ボーヌ付近のいずれも赤ワインの生産の多い村です。 ボーヌ(Beaune) ポマール(Pommard) ヴォルネイ(Volnay) ボーヌは赤白ワインの生産が許可されていますが、ポマールとヴォルネイは赤ワインの生産しか許可されていません。 個人的には次のような語呂合わせを使って覚えています。 シャニー付近 シャニーに近い次の4つの村では白ワインが多く生産されています。 サン・トーバン(St Aubin) ムルソー(Meursault) ピュリニィ・モンラッシェ(Puligny-Montrachet) シャサーニュ・モンラッシェ(Chassagne-Montrachet) いずれの村でも赤白ワインの生産が許可されていますが、両モンラッシェの特級畑では白ワインの生産しか許可されていません。 個人的には次のような語呂合わせを使って覚えています。 その他の村 その他の村は、余裕があれば少しずつ覚えます。 ちなみに、ブラニィ(Blagny)は、ムルソー村とピュリニィ・モンラッシェ村にまたがる地域のことで、ブラニ...

WSET過去問は共有禁止!それでもWSETレベル3の試験問題の参考にしたウェブサイト

資格試験合格のコツは、 出題される問題の傾向を調べて、その対策を意識しながら学習を進めること だと思います。 J.S.A.ワインエキスパート の受験勉強をしたときは、様々なウェブサイトや書籍で過去問が公開されていたので、いち早くそれらを手に入れて早めに対策を進めることができました。 (参考記事: JSAワインエキスパート試験6ヵ月(半年)集中勉強法 ) WSETレベル3 の場合、それは大きな課題でした。 なぜなら、WSETは 過去問の公開や口外が禁止されており 、実際に出題された問題や、試験問題のサンプルを公開しているウェブサイトや書籍がほとんどなかった ためです。 しかし、世界的なプログラムであるWSETの良いところは、世界中に情報ソースが散らばっているところ! その数は多くはありませんが、英語で検索をするといくつか本試験問題を把握する上で参考となるサイトが見つかります。 私が見つけて参考にしたウェブサイトのいくつかを紹介したいと思います。 <WSETレベル3の試験問題を知るために参考にしたウェブサイト> https://www.dallaswinecenter.com/short-answer-question-mosel/ *記述式試験サンプル問題です。 http://www.phillywine.com/wset/advanced/acexam.html *記述式試験サンプル問題です。 https://fromgrapestowine.wordpress.com/2013/11/19/wine-spirits-education-trust-wset-level-3-model-de-examen/ *記述式試験サンプル問題です。 https://www.thirtyfifty.co.uk/WSET-L3-Exam-Questions.asp *email登録で一部「Viticulture (Vine-growing) Questions」が無料で参照できます。 *有料登録をすると記述式、選択式の問題がかなり入手できるのでおすすめです。 https://www.finevintageltd.com/contentmanager/file/PRACTICE%20QUESTIONS/...