タイトルの通り、ワインの名称に出てくる 「Côte」 と 「Coteaux」 は非常に紛らわしい言葉です。 両者ともに丘陵地や斜面を表す言葉ですが、「Côte」は 「コート」 、「Coteaux」は 「コトー」 と表記されることが多いようです。 「Côte」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Côtes du Rhône (コート・デュ・ローヌ) ・Côtes de Provence (コート・ド・プロヴァンス) 一方で、 「Coteaux」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Coteaux Champenois (コトー・シャンプノワ) ・Coteaux Bourguignons (コトー・ブルギニヨン) この2つの言葉の違いを調べてみましたが、どうやら 「Côte」 の方が狭い、特定の丘陵地・斜面を表し、 「Coteaux」 は比較的広い地域を表し、複数の丘陵地・斜面を表すことが多いようです。 例えば、 「Côtes du Rhône 」 はローヌ川沿いにある斜面という特定の地域のブドウ畑から造られたワインを示しています。一方で、 「Coteaux Champenois」 は、シャンパーニュ地方にある広範囲の数々の丘陵地から造られたワインを指しているようです。 詳しいことはそこまでよくわかりませんが、 ・「Côte」 → 狭い、特定のエリア ・「Coteaux」 → 広い、包括的なエリア のような使われ方のようです。 ちなみに、プロヴァンス地方のロゼワインのAOCでは、広さにそんなに違いがないにも関わらず「Côte」と「Coteaux」 の名が付くAOCが入り混じっています。 「Côte」と「Coteaux」 のどちらが含まれるのかは、必ずしも広さだけでは決まらないようです。 <了>
「 JSAソムリエ・ワインエキスパート 」と「 WSET Level 3 in wines 」は運営する団体は異なりますが、よく同等程度のレベルの試験として比較をされます。 前者は日本ソムリエ協会が運営する日本でもっとも有名なワイン資格です。日本でソムリエとして活動している方の多くが取得している資格です。 一方で、後者は、ロンドンに本拠地を置く世界最大のワイン教育機関と言われるWSETが運営する資格です。日本での知名度はそこまで高くありませんが、欧米に行くとJSA資格よりも名前が認知されています。 運営団体や、普及範囲に関する違いがありますが、実は「学習内容」にも大きな違いがあります。 両者を実際に受講・受験してみて、学習する内容について分かった違いを説明したいと思います。 ◆ JSA(ワインエキスパート/ソムリエ)の特徴 --------------------------------------------- ①とにかくカバーされているワイン産地や国の幅が広い ②ワイン以外のお酒(日本酒、蒸留酒、リキュールなど)もカバーされている ③世界各国のワイン名/産地とその生産可能色と品種を覚えなければならない ④ワインやブドウにまつわる各地域の統計情報も覚えなければならない ⑤ヨーロッパ各地の料理やチーズも覚えなければならない ⑥日本ワインや、日本のワインにまつわる法律もカバーされている ⑦ブドウ栽培やワイン醸造はあまり深くカバーされていない ⑧テイスティングは品種、産地、ヴィンテージをあてなければならない ⑨テイスティングで出題されるワインは全て2000-3000円程度のワイン ⑩テイスティングには、ワイン以外のお酒も含まれる ⑪試験形式は全て選択問題かマークシート JSAソムリエ・ワインエキスパートの資格の特徴は... ワインやお酒全般に関係ある知識をひたすら覚えること! ◆ WSET(Level3)の特徴 --------------------------------------------- ①カバーされているワイン産地や国は主要なもののみ ②ワイン以外のお酒はカバーされていない ③主要なワインを除いて、生産可能色や細かい品種は覚えなくても良い ④覚える統計情報はほとんどない ...