タイトルの通り、ワインの名称に出てくる 「Côte」 と 「Coteaux」 は非常に紛らわしい言葉です。 両者ともに丘陵地や斜面を表す言葉ですが、「Côte」は 「コート」 、「Coteaux」は 「コトー」 と表記されることが多いようです。 「Côte」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Côtes du Rhône (コート・デュ・ローヌ) ・Côtes de Provence (コート・ド・プロヴァンス) 一方で、 「Coteaux」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Coteaux Champenois (コトー・シャンプノワ) ・Coteaux Bourguignons (コトー・ブルギニヨン) この2つの言葉の違いを調べてみましたが、どうやら 「Côte」 の方が狭い、特定の丘陵地・斜面を表し、 「Coteaux」 は比較的広い地域を表し、複数の丘陵地・斜面を表すことが多いようです。 例えば、 「Côtes du Rhône 」 はローヌ川沿いにある斜面という特定の地域のブドウ畑から造られたワインを示しています。一方で、 「Coteaux Champenois」 は、シャンパーニュ地方にある広範囲の数々の丘陵地から造られたワインを指しているようです。 詳しいことはそこまでよくわかりませんが、 ・「Côte」 → 狭い、特定のエリア ・「Coteaux」 → 広い、包括的なエリア のような使われ方のようです。 ちなみに、プロヴァンス地方のロゼワインのAOCでは、広さにそんなに違いがないにも関わらず「Côte」と「Coteaux」 の名が付くAOCが入り混じっています。 「Côte」と「Coteaux」 のどちらが含まれるのかは、必ずしも広さだけでは決まらないようです。 <了>
「ドイツワインの品質レベル」と「産地の区画(栽培地域)」の関係がわかりにくいのでまとめてみました。 重要なのは、PDOレベルのワインである「 プレティカーツヴァイン 」と「 クヴァリテーツヴァイン 」の産地です。 クヴァリテーツヴァインに使用されるブドウは「 アンバウゲビート(Anbaugebiete) 」と呼ばれる13地域(モーゼル、ラインガウなど)のうちいずれかの1つの地域で栽培されます。そしてその地域名は、出来上がったワインのラベルに表示されなければなりません。 プレティカーツヴァインに使用されるブドウは「 ベライヒ(Bereich) 」と呼ばれる地区のいずれか1か所で栽培されます。ベライヒとは、13のアンバウゲビートがさらに細分化された栽培エリアのことです。 ベライヒはさらに細分化され、統合畑である「 Grosslage(グロースラーゲ) 」と単一畑の「 Einzellage(アインツェルラーゲ) 」が含まれます。 これらの畑の名称は、PDOレベルのワインである「 プレディカーツヴァイン(Prädicatswein) 」や「 クヴァリテーツヴァイン(Qualitatswein) 」のラベルに表示することが許されています。しかし、ある程度の知識が無い限りこれらの畑の名前からワインの品質を判断することが難しいため、より分かりやすいラベル表示の導入が求められているようです。 ドイツ語のワイン用語を覚えるのは大変ですが、ここでは「gebiete (独) ≒ area (英)」、「lage (独) ≒ location (英)」辺りをおさえておくと、少し覚えやすくなるような気がします。 ちなみに、個人的に「 アンバウゲビート 」がどうしても覚えられなかったので、次のようなイメージで覚えました。 ドイツの畑名によるラベル表示がなぜわかりにくいのか? ドイツの畑名によるラベル表示がわかりにくい理由は、畑名の表示からはワインの品質レベルがわかりにくいことがあげられると思います。 例えば、ピースポート村にある「Goldtropfchen」という名前の単一畑(Einzellage)と、統合畑「Michelsberg」で造られるワインは、それぞれ「Piesporter Goldtropfchen」と「Piesporter Michelsberg」とラベル上に表示されます。 しかし...