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ワイン名称に出てくるフランス語の「Côte」と「Coteaux」の違いとは?

 タイトルの通り、ワインの名称に出てくる 「Côte」 と 「Coteaux」 は非常に紛らわしい言葉です。 両者ともに丘陵地や斜面を表す言葉ですが、「Côte」は 「コート」 、「Coteaux」は 「コトー」 と表記されることが多いようです。 「Côte」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Côtes du Rhône (コート・デュ・ローヌ) ・Côtes de Provence (コート・ド・プロヴァンス) 一方で、 「Coteaux」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Coteaux Champenois (コトー・シャンプノワ) ・Coteaux Bourguignons (コトー・ブルギニヨン) この2つの言葉の違いを調べてみましたが、どうやら 「Côte」 の方が狭い、特定の丘陵地・斜面を表し、 「Coteaux」 は比較的広い地域を表し、複数の丘陵地・斜面を表すことが多いようです。 例えば、 「Côtes du Rhône 」 はローヌ川沿いにある斜面という特定の地域のブドウ畑から造られたワインを示しています。一方で、 「Coteaux Champenois」 は、シャンパーニュ地方にある広範囲の数々の丘陵地から造られたワインを指しているようです。 詳しいことはそこまでよくわかりませんが、 ・「Côte」 → 狭い、特定のエリア ・「Coteaux」 → 広い、包括的なエリア のような使われ方のようです。 ちなみに、プロヴァンス地方のロゼワインのAOCでは、広さにそんなに違いがないにも関わらず「Côte」と「Coteaux」 の名が付くAOCが入り混じっています。 「Côte」と「Coteaux」 のどちらが含まれるのかは、必ずしも広さだけでは決まらないようです。 <了>

アルゼンチン・ワインの地理的表示(GI)を考える ~ルハン・デ・クージョやサン・ラファエルはどのレベル?

 アルゼンチン・ワインの 地理的表示(GI) を整理してみようと思います。 アルゼンチン・ワインの地理的表示は基本的に、 地方行政区画 に従っています。地方行政区画とは、円滑な行政を行うために区切られた区画です。ワイン産地の多くは、地方行政区画(日本でいうと長野県など)か、もしくは、慣習的に使われている地方区分(日本でいうと信州など)で区切られています。 例えば メンドーサ を例にとってみます。 まずメンドーサを含んでいる最も大きな地理的表示は、 クージョ(Cuyo I.G.) です。 クージョは、正確には地方行政区画ではありませんが、昔から伝統的に使われてきた地理的区分だそうです。通常、「クージョ」という場合は、サン・フアン州、サン・ルイス州、メンドーサ州、ラ・リオハ州の4つの州が含まれますが、ワインのGIの場合はサン・ルイス州は含まれないようです。これは、サン・ルイス州でワイン製造が盛んでないためかもしれません。 ちなみに 「I.G.」 とは、 「Indicacion Geografica」 の省略であり、 Geographical Indication(地理的表示) と同義です。 そして、メンドーサを含む次の大きいGIは、 メンドーサ(Mendoza I.G.) です。これはもっとも大きい行政区画であるプロビンシア(=州)レベルのGIです。ちなみにアルゼンチンの州は英語では「province」と表現されます。 さらに、メンドーサ州を詳しく見てみると、メンドーサ州はいくつかの デパルタメント に分れています。デパルタメントとは州の下位に位置する地方行政地区です。デパルタメントは県とも訳される場合があるそうです。英語では「department」を表現されます。 メンドーサ州のデパルタメントの中には、 「ルハン・デ・クージョ・デパルタメント」 と 「サン・ラファエル・デパルタメント」 が含まれています。それぞれ、 Luján de Cuyo GI と、 San Rafael I.G. というGIが存在しています。 この2つの地域は、アルゼンチンに2つしかない DOC産地 として有名です。 DOC産地のワインが、一般のGIワインと異なる点は、ブドウやワインを栽培/生産できる地理的な制約だけではなく、 ブドウ栽培やブドウ品種、ワイン醸造に対しても一定の法的な制約...

はじめての失敗!WSET Diploma D4, D5 オンライン受講の感想と試験対策

D4(Sparkling wines)とD5(Fortified wines)についての取り組みについても忘れないうちにしたためておきたいと思います。 まず、スケジュール感は下の図のような感じです。 幸運にもD1とD2の進捗が順調に進んでいたので、一気に最短でD4とD5の受講&試験も進めてしまうスケジュールで取り組みました。 つまり、D4とD5の受講(オンライン)はD2(Wine Business)の試験準備と並行して取り組んで、D4とD5の試験は最短で受験してしまおうというスケジュールです。 D4とD5はそれぞれ試験範囲がそれほど広くないためか、試験日程は同日に設定されていました。ちなみにD4とD5の全体におけるWeightingはそれぞれ僅か5%ほどです: D4 Sparkling Wines - 5% D5 Fortified Wines - 5% いままで学習をしてきたD1(Wine Production)が20%、D2(Wine Business)が10%であることを考えると、ボリュームはかなり軽めの内容です。 それでも2つの範囲を一度に受験することに一抹の不安はありましたが、「えいや」と受けてしまうことに決めました。 D4とD5の受講内容 受講内容は基本的には、一番最初のD1(Wine Production)とほとんど同じでした。 (関連記事: WSET Diploma D1オンライン受講の感想① ~オンライン受講の流れ~ ) 異なる点としては、用意をしなければならないワインのタイプがより専門的なものになったことでした。当然、ふらっと近所のワインショップに立ち寄って、販売されているようなものではありません。例えば、ヴィンテージポートや、マデイラ、ヴィンテージシャンパーニュなどです。 これらの購入については、主に楽天などのオンラインショップの力を借りました。オンラインショップの存在は本当に偉大です。オンラインショップがいまほど発達していない時代には一体どうやって、マイナーなタイプのワインを集めていたのかと疑問に思ってしまいます。 (関連記事: WSET Diploma D1オンライン受講の感想⑤ ~テイスティング課題~ ) テイスティング課題の書き方にも、一部追加をされたものがありました。D1ではテイスティングノートを書くだけでよかったのですが、D4とD5...