タイトルの通り、ワインの名称に出てくる 「Côte」 と 「Coteaux」 は非常に紛らわしい言葉です。 両者ともに丘陵地や斜面を表す言葉ですが、「Côte」は 「コート」 、「Coteaux」は 「コトー」 と表記されることが多いようです。 「Côte」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Côtes du Rhône (コート・デュ・ローヌ) ・Côtes de Provence (コート・ド・プロヴァンス) 一方で、 「Coteaux」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Coteaux Champenois (コトー・シャンプノワ) ・Coteaux Bourguignons (コトー・ブルギニヨン) この2つの言葉の違いを調べてみましたが、どうやら 「Côte」 の方が狭い、特定の丘陵地・斜面を表し、 「Coteaux」 は比較的広い地域を表し、複数の丘陵地・斜面を表すことが多いようです。 例えば、 「Côtes du Rhône 」 はローヌ川沿いにある斜面という特定の地域のブドウ畑から造られたワインを示しています。一方で、 「Coteaux Champenois」 は、シャンパーニュ地方にある広範囲の数々の丘陵地から造られたワインを指しているようです。 詳しいことはそこまでよくわかりませんが、 ・「Côte」 → 狭い、特定のエリア ・「Coteaux」 → 広い、包括的なエリア のような使われ方のようです。 ちなみに、プロヴァンス地方のロゼワインのAOCでは、広さにそんなに違いがないにも関わらず「Côte」と「Coteaux」 の名が付くAOCが入り混じっています。 「Côte」と「Coteaux」 のどちらが含まれるのかは、必ずしも広さだけでは決まらないようです。 <了>
これは中央ヨーロッパの地図です。国名が入っていない部分は、どこの国かわかるでしょうか?
正解は...
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この通り。これらの国々は実はJSAワイン・エキスパートの試験範囲となるワイン産地です。
西はスペインから東はモルドバまで。さらにここには載っていませんが、さらに南のギリシャや、さらに東のジョージアも重要なヨーロッパのワイン産地です。
私がワイン・エキスパートの試験をやって最もためになったと思うのが、ワインを通じて世界の地理を学べたことです。
私にとってワインの勉強は完全に趣味なので、仕事で資格をとらなければならないなどのモチベーションとなるものは何もありませんでした。覚えることがたくさんあって、正直しんどい時期もありましたが、大きなモチベーションとなってくれたのがこの、「世界の地理を学ぶ」ということです。ワインスクールに通うと毎週新たなワイン産地を勉強して、次の週までにその復習を終えなければならなかったのですが、地図を眺めながらその土地のワインを勉強していると、何となくワイナリーツアーをしている気分で、楽しみながら学習を続けることができました。
例えば、スイスではこんな風に詳細な地図を見ながら産地を覚えていきました。旅行にでも行かない限り、こんなにじっくり各国の地図を見て行くことはないと思います。他の国々でも同様です。
JSAワイン・エキスパートの試験範囲は本当に広く、ヨーロッパから始まり、北米、南米、南アフリカ、オーストラリア、ニュージーランド、そして日本と、あらゆる地域をカバーしています。
おかげさまで、ニュースなどでワイン産地として勉強をした国や地域が出てくると、すぐにその地域や位置関係をイメージできるようになりました。
ワインだけのために勉強をしていたわけではない私にとって、世界の地理を勉強できたことは意外なメリットとなりました。