タイトルの通り、ワインの名称に出てくる 「Côte」 と 「Coteaux」 は非常に紛らわしい言葉です。 両者ともに丘陵地や斜面を表す言葉ですが、「Côte」は 「コート」 、「Coteaux」は 「コトー」 と表記されることが多いようです。 「Côte」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Côtes du Rhône (コート・デュ・ローヌ) ・Côtes de Provence (コート・ド・プロヴァンス) 一方で、 「Coteaux」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Coteaux Champenois (コトー・シャンプノワ) ・Coteaux Bourguignons (コトー・ブルギニヨン) この2つの言葉の違いを調べてみましたが、どうやら 「Côte」 の方が狭い、特定の丘陵地・斜面を表し、 「Coteaux」 は比較的広い地域を表し、複数の丘陵地・斜面を表すことが多いようです。 例えば、 「Côtes du Rhône 」 はローヌ川沿いにある斜面という特定の地域のブドウ畑から造られたワインを示しています。一方で、 「Coteaux Champenois」 は、シャンパーニュ地方にある広範囲の数々の丘陵地から造られたワインを指しているようです。 詳しいことはそこまでよくわかりませんが、 ・「Côte」 → 狭い、特定のエリア ・「Coteaux」 → 広い、包括的なエリア のような使われ方のようです。 ちなみに、プロヴァンス地方のロゼワインのAOCでは、広さにそんなに違いがないにも関わらず「Côte」と「Coteaux」 の名が付くAOCが入り混じっています。 「Côte」と「Coteaux」 のどちらが含まれるのかは、必ずしも広さだけでは決まらないようです。 <了>
ポルトガルのワイン産地で、ずっとわからないことがありました。
それは、「ミーニョ」、「デュリエンセ」、「ベイラ・アトランティコ」、「テラス・ド・ダォン」、「リスボン」、「ペニンシュラ・デ・セトゥーバル」などが何をあらわしているのかということです。
有名な「ヴィーニョ・ヴェルデDOC」や「ドウロDOC」などを括っているものなので、日本だと「~地方」や「~県」などに当たるポルトガルの行政区分か何かだと思っていました。
しかし、実際は行政区分などではないようです。
最近わかったのですが、どうやらこれは「VR(Vinho Regional)」なのだとか。
VR(Vinho Regional)とは、ポルトガルの品質等級の2段目の「地理的表示保護」ワインで、EUの統一基準だと、「PGI」ワインに相当します。
上の品質等級のピラミッドが表すように、VRの数は「14」あります。一方で、品質等級の最上段のDOC(Denominação de Origem Controlada)の数は「31」です。